アブダビが国の威信をかけて造り上げたエミレイツ パレスは、「世界一の高さ」「7つ星」で世界中にアピールしたドバイのブルジュ アル アラブに対抗する、1キロメートルという「世界一の長さ」を持つ「7つ星」ホテルです。2010年のクリスマスには、ロビーにダイヤモンドやエメラルド、サファイアなど総額約10億円もの宝石がきらめく、高さ13メートルのツリーをデコレート。ホテルとしてはギネスに登録したかったようですが、「イスラムの国でツリー?」「やりすぎ!」との批判が続出、世界的なニュースになったことを覚えている人もいるのではないでしょうか。
そんなエピソードからは、どうもキンキラの成金趣味的なイメージが浮かびますが、エミレイツ パレスは「最高級のクラシック」と評されるほど重厚で落ち着きのある、中世ヨーロッパスタイルの内装。すべてのスケールが大きいだけにその雰囲気は圧倒的で、うやうやしいサービスにも気品が感じられ、気分はまさしく王侯貴族。館内を散策するだけでもしっかりドレスアップしたくなるような特別感に満ちています。また、ぜひ目の当たりにして欲しいのが夜のライトアップ。プライベートビーチ沿いに長々と続く光のラインは、写真では伝えることのできない驚きと感動を与えてくれるでしょう。
ラグジュアリールームはコーラル、パール、ダイヤモンドの3タイプ。異なるのは景観と室内レイアウトやテーマカラーのみで、55平米の広さや設備・機器、24時間体制のバトラーサービスは共通です。スイートになるとその豪華さはさらにアップ。中でも最高峰のパレススイートは広さ680平米! リビングなぞまるで体育館レベルです。スイートのゲストはパーソナルチェックインから「ル・ヴァンドーム」での朝食、またリムジンによる空港送迎付きとサービスもハイクラス。こうした想定外の贅沢なホテルなだけに、館内施設のお値段も桁違い。ブッフェのランチならお手頃だろう・・・なんて軽く考えていると痛い思いをします。滞在するならしっかりお財布をふくらませておいてください。
タイやバリにスタイリッシュなホテルを展開しているアナンタラが、中東に進出して造ったホテルは、「空白地帯」と呼ばれる世界最大級の砂漠の中。砂と同じ色の建物は砂漠と同化してしまい、遠くからの眺めはうっすらとした蜃気楼のよう。きらびやかな色を使わないアースカラーでまとめられた敷地内は、どこまでもゆったりとした落ち着きのあるたたずまいで、エントランスの噴水を見ると気持ちがふっとゆるみます。ここは砂漠をはるばる旅してきたゲストのための、文字通りオアシスとなっているのです。
一度足を踏み入れたら、今度は人気リゾートもかくやという充実した施設が控えています。ヤシの木に囲まれた爽快な屋外プール、本格的なハマムを備えたスパ、洗煉されたアラビア料理から手軽ナスナックまで選べるダイニング等々。市街地は車で2時間も離れていますから、本当に「人里離れた」場所なのに、都会以上の贅沢で優雅な滞在が楽しめるのです。のんびり何もせずにいるのに飽きたら、ホテル内にある「砂漠ツアーセンター」へ。キャメルライディング、サファリ4WDツアー、デザートハイキングと、これまた他では体験できないアクティビティが取りそろえられています。
ですが、やはり最も心が癒されるのは、客室で気ままに過ごす時間かもしれません。心身に優しいアースカラーでまとめられたインテリアは、独特のエスニックテイスト。上質さが際立つシンプルなデザインと機能性は、実にアナンタラらしい選択といえます。全ての客室に広いテラスが設けられ、スライド式のガラスドアを開け放てば、幻想的な砂漠の景観が目の前いっぱいに広がります。おすすめは何といってもプライベートプール付きのヴィラ。106平米もありながら、宿泊できるのは2人まで(12才以下の子供は1人だけ可)という厳しさ。テンション高く騒ぐのではなく、心通う同行者と静かに過ごす。そんな大人の休日を実現してみませんか。
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