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ロンドンのラグジュアリーホテル

サボイ ア フェアモント マネージド ホテル

サボイ ア フェアモント マネージド ホテル

2007年、改装のためにあのサボイがクローズするというニュースは、国内のみならず国外のホテルフリークにさまざまな話題を提供しました。もしかして今風の可もなく不可もない豪華ホテルになってしまうのか・・・マネジメントをフェアモントに移譲するらしいけれど、その功罪は・・・。しかも当初の予定から2年も遅れたことや、その間に起きたリーマンショックによる世界同時不況など、不安の種は尽きず。最終的に投資額は日本円で約300億円にまでのぼったそうで、イギリスではドキュメンタリー番組も作られるほど注目を浴びていたようです。

2010年10月、そのリニューアルオープンは国民的俳優を招いての大々的なセレモニーとなりました。そして館内はというと、足を踏み入れてみて誰もが驚嘆。モノトーンの格子柄大理石のフロア、天井や柱のデザイン、そして何よりも漂う雰囲気がほとんど往年のままよみがえっていたからです。ここの開業は1890年。サボイ劇場の主ドイリー・カルデが、ニューヨークで一流ホテルが上流階級の社交の場となっていることに大きな感銘を受けてスタートしたものの経営は不振。その窮地を救ったのがセザール・リッツと料理人のオーギュスト・エスコフィエでした。さらにホテル付きの劇場の指揮者にリヒャルト・シュトラウスを迎えたことで、その名声は決定的になったのです。

現在のサボイはフェアモント ホテルズ&リゾーツの傘下になっていますが、根底にある精神はよみがえった内装同様変わっていません。正装のドアマンやオールマイティのコンシェルジェ、黒子のようにゲストの居住性を支えるスタッフの面々。その重厚なエントランスをくぐり、暖炉のあるサロンでくつろぎ、専用のチェックインルームで手続きを行う。すべてが特別感に満ちたサボイでの滞在は、イギリスの育んできた独特のおもてなしのスタイルを知ることにもなるはずです。臆することなく、でも優雅に。サボイはそんなゲストを今日も無言の親しみで受け入れているのです。

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クラリッジス

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1817年にオープンして以来、別名「バッキンガム別館」とも言われるほど世界各国のロイヤリティが長期滞在し、また愛されてきたクラリッジスには有名なエピソードがあります。第二次大戦時、ナチスに侵攻された旧ユーゴスラビアから亡命したペータル2世が滞在していたのが、クラリッジスの212号室。アレキサンダー王子もまた、この部屋で生まれたのです。時の英国首相チャーチルはその報を受け、212号室をユーゴスラビアの「領土」として認め、アレキサンダーを正式な王子として承認する手助けをしたのだそうです。

ハイブランドショップが並ぶブルック通りに建つ洗煉された建物は、ヨーロッパのパレスホテルのような豪華さとアールデコ風のモノトーンカラーが優雅さを際立たせています。その名声から見学に訪れる観光客も少なくなく、長年のリピーターの中にはその観光スポット化を嘆く声も聞かれます。確かにロビーはややざわついた雰囲気ですが、客室エリアは全くの別世界。静かで落ち着いた空間で贅沢な時間をゆっくり過ごすことができるでしょう。クラシックな中にモダンな要素をチラリと感じさせる内装や、インターネット等の最新の機器・設備もきちんとそろっているので、滞在中のストレスはほとんどないはずです。

クラリッジスの名物といえば、もちろんダイニング。アフタヌーンティーの「ホワイエ」、ミシュラン3つ星の「ゴードンラムゼイ」が手がけるレストラン(こちらも1つ星)、世界中のミネラルウオーターを取りそろえカクテルを作ってくれる「クラリッジス・バー」と、ロンドン最高の美味・美食を体験したいなら、すべてが外せない名店ばかりです。また毎年12月1日からロビーに飾られるツリーも名物のひとつに加えるべきでしょう。デザインを手がけるのはジョン・ガリアーノなどの著名人ばかりで、2011年度はランバンのデザイナー、アルベール・エルバスだそう。デコレーションは2012年1月2日まで展示されています。

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