同じマレーシアのペナンとは異なり、どこかのんびりしたムードが漂うランカウイ。ここ数年、有名ブランドのリゾートが次々に参入してきましたが、それでもちょっと車を走らせればひっそりとしたジャングルといった風情で、あれもしたい、これもしたいと忙しく動く日本人にはいまいち不向きのリゾートアイランドのイメージがあります。実は、その「何もなさ」こそがランカウイのポイント。一度ダタイに泊まれば、その魅力がきっとわかるのではないでしょうか。
ダタイが位置しているのは島の北東、神聖なる海岸を越えたダタイ島を見下ろす場所。向かいにジ アンダマンがあるものの、互いに巧みにグリーンで姿を隠しており、まるで大自然の中にポンと置かれたような隔絶感が。客室の配置も考え抜かれており、たとえビルタイプのデラックスに滞在しても、ほとんど他のゲストの気配を感じることがありません。さらに高台に配されたヴィラとなれば、もはや緑の中の隠れ家同然。プライバシーを気にする各界著名人やハネムーナーに絶賛されるのも深くうなずける話です。
磨き抜かれた木材をふんだんに使った美しく温もりのある室内、控えめですがツボは外さない的確なサービス、そしてこの優雅で洗練された雰囲気に溶け込み、心からリラックスして過ごすゲストたち。すべてがパーフェクトに融合したダタイならではの空気は、敷地内で長い時間を過ごすからこそ実感できるもの。点在する各施設への移動は散歩レベルの距離ですし、ゲストでさえもメインダイニングのディナーは予約がおすすめと、さりげなくゲストを動かし、そのことで満足度や感動を盛り上げるのも、ダタイの見事な戦略。ひたすらリゾートを楽しみつくすことでゲストはダタイを愛し、また戻りたいと切望するようになるのです。
ランカウイ島北部、黒砂海岸を脇に車を進めると今度は目に飛び込んでくる輝くような白砂のビーチ。その素晴らしい景観を独り占めするように造られたのが、フォーシーズンズ リゾート ランカウイ。のんびり島ランカウイのホテル料金を一気に押し上げたと言われる、世界的ラグジュアリーリゾートです。オープン時の騒動はご承知の通りで、リゾートフリークですら度肝を抜かれたほどのその豪華さはあらゆるメディアで喧伝され、「さすがフォーシーズンズ」「別世界に来たよう」とコメントも絶賛の嵐でした。
よく比較されますが、フォーシーズンズはダタイのような、うっそうとしたグリーンの中というシチュエーションではなく、適度に自然の姿をとりこんだ開放的な敷地造成。アラビックなデザインをポイントにミックスアジア的なデザインが不思議な非日常感を誘っています。客室はビルタイプのスイートとヴィラ。ビルといっても2階建てで、それぞれが専有するスペースは驚くほどの広さ。高い天井でゆっくり回るファン、天井から下がるカーテン、ローライズの家具や調度品と、空間の広がりを演出する工夫が随所に凝らされています。こうした完璧な外観ゆえか、水回りなどはやや使い勝手が犠牲にされている感もありますが、この贅沢さがあれば相殺されてしまうでしょう。
さて、室内で心ゆくまでくつろいだら、散策に出かけましょう。ラッププールは、子供の利用が禁止されている大人のための遊び場。プールサイドに点在するプライベートスペースはあっというまに「満室」になってしまうので、バトラーに予約をお願いしておくのが上級者テク。陽射しが強くて外に出たくないときは迷わずスパに足を運びましょう。マッサージからアーユルヴェーダなどのトリートメントまで豊富かつ本格的なメニューがそろっています。夕食前にはバーで一杯、そしておしゃれをしてメインダイニングの「セリア」へ。リゾート内だけで過ごす極上の時間。お財布なんか気にしてはダメ! こんなラグジュアリーリゾートに滞在するんですもの、一生に一度は「したいことを迷わずする」バカンスを楽しんでください。
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