マダムヨーコの辛口旅サロン「目指せエレガント・トラベラー」
Vol.
65

おそるべし!イタリア鉄道の巻

マダムヨーコの辛口旅サロン おそるべし!イタリア鉄道の巻

昨年のイタリア旅行、マダムは50分しか乗り継ぎ時間のない便を選んだ結果、あまりのあわただしさに入国前からどえらいストレス。やはりトランジットは最低でも2時間は確保すべし、というのが前回のお話&教訓。ところが、この旅行で受けたストレスは、それだけじゃなかったんですのよねぇ。今回はその恨み辛みをネチネチとお話ししとうございます。イタリアで同じ思いをなさった方、きっと多いと思いますの!

小さな町でいきなりの「ショーペロ(スト)」!

それは、トリノからジェノヴァへの列車移動で起こりました。早朝出発のわたくしは、念のためホテルで運行状況を確認。すると「ストだけど・・・まっ、動いているでしょう」という何だかあやふやな返答です。スト? ニュースでやっていたかしら。「???」と思いつつ予定通り乗車。ところが!1時間ほど走って到着したアレッサンドリアという小さな町。ここで、なんだか長?い時間停車しているのです。「待ち合わせかしらねぇ」と外を眺めていると、突然車掌さんがドアをバーン!そしてイタリア語で「ショーペロ(スト)!」とひと言。え、え!?

わたくしがいた1等車には、同じような大荷物の旅行者が数人。みなポカ?ンです。仕方なく窓口に行くとすでに長蛇の列。辛抱強く待ち、仏頂面のスタッフに「再開は?」「17時過ぎだけどわからない」「ジェノヴァに行く方法は?」「ノ」「長距離バスは?」「ノ」「何か方法は?」「ノン・ロ・ソ(知らないわよ)!」。くうー。何で逆ギレするー。しかも意地でも英語を話さず、イタリア語のわからない旅行者に対しても早口にまくし立てるだけ。端で見ててもハラハラの「ご対応」ざます。どうしようもないので、今度はツーリストインフォメーションへ。そこでも、ああ、案の定「列車のことはわかりません」とのつれない返事。でも、ホームを歩いていた駅員さんを呼んで、状況を聞いてくれただけ親切でしたわね。

冷静に善後策、頼みの綱は携帯電話!

駅員さんによると、このストはローカルだけで長距離は動いている「と思う」。次は12時半にサレルノ行きが来る「はず」と、これまた、何でわからないー、それが仕事だろー、なお返事です。時刻は9時を回ったところ。さすがのマダムも焦りましたわね?。だって今日はジェノヴァ経由でチンクエテッレに行き、1日散策&宿泊の予定だったんですもの。時間的にはそろそろ目的地に到着していていい頃なんですのよ。このままでは復旧しても、ただ移動するだけで何もできません。明日は午前中にジェノヴァに戻り、中目黒マダム一家と合流しなければならないし!

動転した気を鎮めて善後策を考えます。この時に大いに役立ったのが、トリノにて29ユーロで買った携帯電話。念のためだったのですが、まさに命の綱になりましたわね?。まずホテルにキャンセル連絡し、次にジェノヴァの中目黒マダムに前倒しで合流の懇願。まだまだ落ち着きませんが、これ以上できることはありません。あとは座して待つのみです。寒くて心細くて長い時間が過ぎました。と、「サレルノ行きICが来るぞ?」というアナウンス! 卑怯なことにイタリア語のみです。他の旅行者に教えてあげたくても、みなどこにいるのかわからない。もう自分のことで精一杯。なんとか、なんとか車上の人となり、夕方に半泣きで中目黒マダム一家の滞在しているアパートメントにたどり着いたのでした。ほんっとに、数年分のエネルギーを使い果たしましたわ・・・。

イタリア鉄道の指定券は事前購入を

結局、列車は18時前後に動いたそうで、まさしく「本日のスト」状態。どうしてそういうことするかなあイタリア。ストが多い国とは聞いていたけれど、今まで遭遇しなかったほうがラッキーだったのかしら。ちなみに、使わなかった指定券は、ジェノヴァの窓口でサインをもらっておき、帰国後に払い戻していただきました。あっ、指定券といえば、これもイタリア鉄道のまがまがしさというか、超メンドーなシステムですのよっ、奥様!!

わたくし数カ国を列車で移動する際には、いつも鉄道の旅という手配会社にパスをお願いしておりますの。今回もルートをお知らせし、最適なパスをご提案いただいたのですが、同時に「イタリアの指定券はどうしますか?」とたずねられました。いつも細かくスケジューリングはするけれど、基本的には自由気ままに動きたいマダム。時間を決められちゃうのはなあ・・・とやや不本意ではありましたが、一応押さえていただくことに。

これが大正解! というか、しなかったらマジでヤバヤバでございましたわよ!みなさま、イタリア鉄道は基本的にレッジョナーレとエスプレッソを除き、全て指定券が必要なのでございます!自販機もありますが、鉄道パス対応の項目はありません。そして窓口は常に大混雑なので、当日では買えない可能性があります。じゃあ車内精算すればいいや、と思いました?甘うございます。手数料を取られるし、下手をすると罰金が科せられることもあるらしいのです。ああ?、イタリア鉄道ひどすぎる?。

イタリア鉄道は欧州指折りの・・・

だって国境を越えてフランスに入ったとたん、特別な列車を除けばICだろうがICEだろうが指定券など買わなくても、どこでも空いているシートに座れるんですのよ! しかも車両はキレイだし新しいし。ドイツもスイスもオーストリアも同じこと。イタリアほど使い勝手の悪い鉄道、ヨーロッパ主要国の中では他にないと思いません? わたくし、以前ミスターMにコンコンとそのお話を聞いたときに、へえ?と受け流してしまったことを、つくづく反省いたしましたわ。

また大感謝なのが鉄道の旅様(もはや「様」付け)。旅行前のアドバイスから、完璧な手配ぶり、そして帰国後もジェノヴァ駅のサイン入り未使用チケットに関し、「どこまでできるかわかりませんが、全力でもぎ取ってみます!」との力強いお言葉とともに、本当にご返金くださったのです。そんなに大きな金額ではなかったのに、この真摯なご対応・・・マダム、ますます鉄道の旅様ファンになりましてよ。みなさまも、海外鉄道の旅の予定がありましたら、ぜひご相談なさってみてくださいませ?。ちなみに、ストの日に同じようにイタリアのサイトで指定券を購入していた中目黒マダムですが、返金リクエストしたところ、「免責事項だし、最終的にはその日に電車が動いたので、変更すれば乗れたでしょ」と門前払いだったそうな。う、うーん、その通りなんですけど・・・容赦なさすぎ?。

海外旅行中のトラブル、ホントに気が滅入りますわよね。でも、わたくしは帰国後に笑って話せるならば、旅行スキルアップのいい機会だったと思うようにしていますの。ほほほ(←カラ笑い) みなさまも、どうぞトラブルで臆病にならず果敢に海外旅行に挑んでくださいね。では、また来月。Ciao!

聞かせて、あなたの声を

オトコのスパについてお便りくださったH様より「ミスターMさんの関連記事読ませていただき、大変参考になりました。有難う御座いました」とお礼を。「男なら気後れすることなしで裸で勝負すべしというお言葉実践します」。そう、その意気でございます?。これからはミスターのコラムも一緒にお楽しみくださいね。

反響が相次いだのはマダムの「コペン50分トランジット」。Rie様からは「お疲れ様でした!でも、結局無事にミラノまでは辿りつけたのですから、良しとしましょう」。なぜかといえば・・「私は管制官ストで、CDGで延々10時間待たされたことがあります。ホテルに着いたのは日付が変わった午前3時過ぎでした。おまけにロストラゲージで」とのこと。ひ?え?。なんと過酷な状況をくぐり抜けていらしたこと!15年ぶりのピエモンテへのお里帰り、いかがでしたか?

楓様は2012年初お便り。ダラス空港で走り回ったトラウマから、フライトはできる限り直行便をチョイスなさるのだとか。「電車みたいに、あら、乗り遅れた!じゃあ次にってわけには行かないですものね」。そうなんですのよね?。楓様、今年もどうぞよろしく!

Ankoromochi様は、国内線で成田で50分トランジットを体験されたとか。また「シンガポール空港でトランジット待ちが4~5時間あった時、市内観光ツアーに行きました」という、トラヴェジェンヌらしい有効な時間活用も。バックナンバーの「手持ちぶさたのトランジット」にいくつかアイデアを紹介してあります。ご参考にどうぞ。

「銀行口座の残高は増えなくても、心の財産を増やしたいと思い」海外旅行を楽しんでいる典子様。お母様との旅行では着物を持参なさるそう。「何も海外でまでわざわざ着物を着なくても、と思っておりましたが、いざ着てみると、これが病みつきになるくらい現地民の喰いつきが良いのです」。ほほーう。確かに、どこでも「VIP待遇」はうなずける話。ああ、わたくしも心得があったら、着物トラヴェジェンヌになりたいざます!

お便り73通超えのH.Y様は、なんと「我慢できずラスベガス&セドナに旅立」たれてしまわれました?。なんという行動力!ぜひ「最高!」だったセドナのお話も聞かせてくださいね。楽しみにしています。

使えるワンポイント英会話

「Can I get a refund for this ticket?」

「このチケットの払い戻しはできますか?」という意味のフレーズ。予定が変わって使わなかった列車の指定券だけでなく、入場券などの各種チケット類は、たとえわずかな金額でも、窓口に行く機会があったら払い戻しができるかどうか聞いてみましょう。

他にも、あらゆるシーンで役立つ英会話がそろってます!

マダムイラスト
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他人のトラブル己を活かす

たとえ自分に直接関係のない事柄でも、他人の話(特にトラブル関連)には、いつか必ず役に立つ情報がひそんでいるものです、という意味。

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