近代ビルの中に自然がつくり出すアートを再現
チャイナタウンとクラークキーの中間あたりにオープンしたパークロイヤル オン ピッカリングのコンセプトは「庭園の中のホテル」……といわれても、遠目には鏡面ガラスをふんだんに使った近代的な大型ビルです。いったいどこにその「庭園」が? 答えはホテルに近づくにつれ、徐々にわかってきます。
エントランスだけでなくバルコニーやテラスにふんだんに植えられたパームツリー、窓を覆い尽くすアイビーなどツル科の植物。ガラスやステンレススティールなどの素材と緑の融合というあまりにも非現実的な景観は、まるでSFに登場する天上のハンギングガーデンのよう。そんな外観に象徴されているように、このホテルはエココンシャスが、もう一つのコンセプトでもあるのです。
デザインを手がけたのはシンガポールでも指折りの著名建築家ユニット。環境に配慮し、ナチュラルパワーを存分に発揮するこのホテルは、国のグリーンマーク制度プラチナ賞をはじめさまざまなアワードを受賞しています。もしかすると、滞在するだけでエネルギーを与えてくれるような、都会の中のパワースポットなのかもしれません。
館内は客室も含めアースカラーと自然素材が基本。広々とした空間に大自然が創り上げたアートのような造形がいたるところに再現され、どこにいてもゲストを優しく包み込んでくれます。中でも圧巻は15000平米にも及ぶスカイガーデン。機能や利便性だけでなく、存在そのものが驚きと楽しみに満ちたこのホテルは、泊まるためだけに行く価値のある1軒です。
シティスタイルのリゾートでヒップな時間を
シンガポール政府が肝煎りで開発してきたリゾートアイランド、セントーサ島にWがオープンしました。島の東南と中心エリアから離れた場所にありますが、ハイウエイを走れば空港からは車で約30分、本土のオーチャード界隈にも約20分と、意外なアクセスのよさでシティライフとリゾートステイの両方を楽しみたいリピーターを増やしています。
ロータリーには、ご存じWのロゴの巨大オブジェ。240室とシンガポールでは中規模クラスですがコンドミニアムを含めて低層階造り。広々とした敷地にウエーブ状に並ぶビルは壮観です。そしてエントランスを一歩入ればそこは独特のWワールド。ハイテックな素材をこれでもかと使ったデコレーションとイルミネーションが空間をあでやかに彩り、家具ですらアートのようにレイアウトされています。
これまたびっしり装飾が施されたコリドーから客室に入ると、グレーを基調にした洗練された空間がゲストを待っています。日中は意外とシンプルな印象ですが、夜になると様子は一変。ベッドの下や調度品、壁の背面に仕掛けられた間接照明が妖しいネオンライトを放ち、あっという間に大人の空間に変身。マリーナを眺めながら過ごすムーディなひとときは、本土のホテルでは味わえない贅沢です。
さらにゲストのリゾート気分を盛り上げてくれるのが、美しいモザイクタイルが敷き詰められた広いプール。コクーン状のプールバーや宇宙船のようなカバナもユニークです。ここも夜になればライトアップとイルミネーションでロマンティックなスポットに。またスノビッシュなスパも見逃せません。ナイトタイムはホテルに戻って、ぜひWワールドにひたってみてください。
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