驚くほど広いロビー空間
風情ある奈良の町並みを見下ろせる部屋も
和食レストラン「銀杏」では地産の食材が豊富です。
奈良の長い夜を満喫させる大浴場
再開発時に誕生した最も豪華な設備を有するホテル
「奈良は京都と比べると、とても静かな町です。駅周辺には華やいだ雰囲気がありません。でも、実は京都に負けないくらい貴重な観光スポットがたくさんあるのです」とはホテルマネージャーの言葉。実際、駅周辺で目立った建物といえばホテル日航奈良だけです。飲食や買い物を楽しむには、思ったほど店舗が豊富ではありませんし、かなり早い時間に閉店してしまいます。「京都に宿泊して奈良へは日帰りで足を伸ばせば十分と考える人々が圧倒的多数です。しかし、奈良の文化遺産を見ようと思ったら、日帰りでは時間が足りないはずですよ」
ホテル日航奈良の前身となるホテルは、1998年に奈良駅周辺の再開発が行われたときに建てられました。イタリアの有名な建築家、アルドロッシの手で奈良のイメージにあったシックな建物に仕上げられています。地域活性化のために建てられたものですから、奈良で一番豪華な設備が導入され、さらに駅に隣接するというこの上ない立地条件を備えることになりました。2005年にJALホテルズが引き継ぎ、現在は客室数330、4つのレストラン、1つのラウンジ、そして大浴場を保有する大規模ホテルとなっています。
奈良に人を呼ぶための弛まぬ努力
しかし、どんなに豪華なホテルができても、それだけでは人を呼び寄せることはできません。「奈良には素晴らしい素材がたくさんあります。それを理解していただくために膨大な数のアイデア商品を作ってきました」とPRマネージャー。過去にホテルが作成したチラシを見ると「正倉院展&阿修羅を楽しむ宿泊プラン」や「鹿男あをによし宿泊プラン」のように奈良の見所をトレンドを取り入れながら案内し、同時に貸し自転車やバスツアーもつけるというユニークな企画が考案されてきました。奈良に滞在してくれる人を増やすための、さまざまなプラン。絶えず考えてきたその数は、常に40を超えているのだそうです。
国際都市を目指す奈良の中核となるホテル
奈良は2010年に平城遷都1300年祭が開催されます。この絶好の機会を活かし「新公会堂」と呼ばれる国際会議場に、コンベンションを誘致する活動が行なわれてきました。「まもなく国内外から多数のゲストを迎える時期がやってまいります。奈良唯一の大型国際ホテルとして、ホテル日航奈良の役割はとても重大です。施設の優秀さに頼るだけでなく、サービス面にも常に重点を置き、温かいホスピタリティを出すためのスタッフを育ててきました」。
スタッフ一同のたゆまぬ努力が、施設とサービスの両方の面で他の追随を許さない実績を築きあげてきたのです。
ハウスキーパーの人たちが折ったキャラクター
フロアーのいたるところに置かれた活花
きれいに掃除された部屋
和食レストラン「よしの」(個室)
他に類なきホスピタリティ
ホテル日航奈良のロビーには、天皇陛下をお迎えした時の写真が飾られています。常に行き届いたサービスを提供しているこのホテルでも、いつも以上にきめ細やかな気配りが必要だったに違いありません。そんなことを思いながら館内を歩いていると、ふと生花の多いことに気がつきます。各フロアのエレベータホールや廊下の端にも。「ずいぶんと生花の多いホテルですね」とマネージャーに言うと、「ハウスキーパーが通勤途中で、野に咲いているきれいな花を見つけては採ってきて飾り付けに使っているのです」。生花の横には折紙の鶴や亀なども置かれています。こんな愛らしい飾りも、ハウスキーパーが時間のあるときに自ら作り、2泊以上のゲストの客室にも置いているのだそうです。
どのようにしたら、より素晴らしいホスピタリティを提供できるか・・・それは他と差をつけるのが難しいがゆえに、どんなホテルにとっても常に大きな課題です。しかしホテル日航奈良にはスタッフが自慢とする、こうしたオリジナリティに富んだホスピタリティがいたるところに散りばめられているのです。
ハウスキーパーの生み出すホスピタリティ
ホテルのマネージャーが誇らしげに言います。「ハウスキーパーがゲストとホテルの絆を深める素晴らしい働きをしてくれています」。時間のあるときに折紙で季節にあったキャラクターや動物などを作って小さなプレゼントにするだけでなく、客室には「私、○○がこのお部屋をお掃除させていただきました」というメッセージカードも添えておきます。そのカードを見たゲストからは「○○さんの掃除はとてもよかったです」という感謝のメッセージが頻繁に届くそうです。ゲストとハウスキーパーの間に絆が生まれている証拠です。館内のいたるところに生け花を置くというアイデアも、もともとはハウスキーパーが話し合いをした結果生まれたものだそうです。
すがすがしい気持ちにさせてくれるホテル
ゲストフロアでハウスキーパーとすれ違うときも、「こんにちは」とかけられる挨拶に生き生きとした響きが感じられます。ハウスキーパーの一人一人に、ホスピタリティを高めたいという強い自覚があるのでしょう。ハウスキーパーまでもがこうした役割を担うホテルはとても稀です。ここに泊まった多くのゲストが、すがすがしい気持ちでホテルを去って行く姿が目に浮かぶようです。
大浴場入り口は贅沢な造り
「デュベ」と呼ばれるふかふかの掛け布団
大人気のレストラン、「セリーナ」のメニュー
吹き抜けのロビーラウンジ「ファウンテン」
奈良駅に隣接した巨大な敷地を占めるホテル
ホテル日航奈良はJR駅に連結しているので、雨が降っていても濡れることなく館内に入ることができます。広いロビーは吹き抜けになっており、その贅沢な空間の使い方には誰もが驚かされることでしょう。奈良という土地柄、建築規制により建物を高層にすることができず、330室を確保するには敷地を広くとらなければなりませんでした。それが反対に、吹き抜けの大ロビーを造ることにつながったということです。
日本的な「お風呂」が楽しめる
客室は白と黒を基調としたとてもシンプルな内装で、ベッドはデュベスタイル。厚みのある布団をシーツのカバーですっぽりとくるんだものです。部屋を掃除するたびに、布団をくるんだカバーを交換しているので、いつも洗いたてのコットンの心地よい感触を楽しめます。ベッドサイズは最も小さなものでもセミダブル。こういうところでもインターナショナルスタンダードを保っています。
バスルームのドアを開けるとバスタブが見あたりません。もう一つのドアを開けたところにあり、手前には日本のお風呂のように身体を洗う“洗い場”がついていました。湯船を泡だらけにすることなくお湯に浸かることができるという、日本人には実に嬉しいしつらえ。ホテルでこうした構造のバスルームはめったに見ることができません。きっと、自宅のお風呂のような感覚でくつろぐことができるでしょう。このスタイルのバスルームを備えた部屋は60室あります。
奈良の長い夜を楽しむ工夫
「奈良の夜は早い」と言われます。繁華街が早い時間に静かになってしまうため、夜はホテルで過ごす時間が必然的に長くなります。そうしたことを考慮して造られたのがゆったりとリラックスできる大浴場。これもホテル日航奈良ならでは醍醐味といえるでしょう。またこのホテルは県立図書情報館と提携して、奈良関連の本の貸し出しサービスも行っています。大浴場を満喫した後は部屋で読書をする。長い夜の過ごし方として、そんな落ち着いた時間を送るのもいいものです。
ところで昼少し前になると、レストランの前に長い列ができていました。実はブッフェスタイルのレストラン「セリーナ」は、奈良で一番人気のレストラン。6メートルはゆうにある長いテーブルの両側にずらりとならんだ料理の数々。それが平日は1800円で食べられるのですから、長い列ができるのも当然。抜群の立地条件、奈良の夜を和ませてくれる大浴場や心豊かになれるサービス、そして、大人気のレストラン。ホテル日航奈良が「奈良のホテルで最も豪華」と言われている理由がよくわかります。