創業1978年、緑豊かなエアポートホテル
ガーデンプールでシャンペンやスイーツを
シングルルーム。手付かずの森を眺める客室も人気
1Fにあるレストラン「セリーナ」。朝食バイキングも好評
緑豊かなエアポートホテルへようこそ
成田空港第二ビルから無料のシャトルバスで約5分、坂道の入り口にホテル日航成田はあります。「竹林や雑木林があったり、意外と自然豊かなんです」と吹き抜けの広々としたロビーで出迎えてくれたのは、マーケティング室の方々。「イチオシです」と案内されたのはフロント脇にあるJALの自動チェックイン機。もちろん、マイレージチャージも可能。エアポートホテルらしい設備です。その隣には、「こちらもイチオシ」という24時間営業のコンビニ(ローソン)がありました。「クレジットカードも使えるし、ほら、おでんもあります。ネットで注文した本を受け取って海外へという裏技も使えます」。さて、取材開始3分で2つ目のイチオシですが?「あっ、そうですね(笑)。もっとイチオシがあります」と自信満々の笑顔。これは楽しみです。
4人で別館へ。通路には休憩用のテーブルセットがいくつも置かれているのですが、揃って歩いてもゆったり。大型ホテルならではのゆとりでしょうか。別館はブラウンと白で統一した落ち着いた空間。“ハウスウエディングをホテルで”をコンセプトに2008年に新オープンしました。「ここのイチオシはこれです」と宴会所のガラス戸をスッと開くと、ガーデンプールが登場。チャペルから芝生の庭を抜けて直接来られるのも素敵です。プールサイドで打ち上げる花火はスタッフも「ポカーンと口を開けて見入ってしまいました」というほど華やか。パーティーが盛り上がること間違いなしです。
眺めのよい部屋は二重サッシで静かな環境
スタンダードシングルは16平米とコンパクトですが、ベージュのインテリアでスッキリとまとめられ、ホッと落ち着ける雰囲気。部屋タイプが多く、人数や予算で最適な部屋選びができるのも利点です。空港を一望する眺めは成田で一番と自負。そのぶん騒音があるのでは?「二重サッシの窓ですからそれほど気にならないと思います」とのこと。たしかに遠くに聞こえるジェット機の音は、旅への高揚感を高める効果はあっても、けっして耳障りではありませんでした。
80名が座れる広々レストランでバイキング
朝食は1Fレストランでバイキング。スタッフのイチオシは「千葉県産の食材を使った蒸し野菜です」。「デザートも種類が豊富です」との女性にうれしい情報もいただきました。餃子や酢豚などの中華にパスタ、湯豆腐などの和食、サラダバーもあるバラエティ豊かなランチは、「月に20日通う常連のお客様も」というほどの人気。私たちの後ろのテーブルでは、外国からのお客様が赤ワインとともにお食事を堪能されていました。取材日はあいにくの雨。こんな日はホテルでのんびりくつろぐのが正解のようです。
靴を脱いでゆったりくつろげるコンセプトシングル
4ベッドのコンセプトファミリーはグループに最適
旅のサポートセンターを支える“旅の達人”です
夏はプールも!成田山への無料送迎バスも運行
ほかにはないホテルを目指して
ホテル日航成田は新しくなりました。そのきっかけは「他ではやらないことをやろう」という有志の集まり。今回お世話になった3人もそのメンバーです。「どうしたらいい旅のお手伝いができるか?」から考え出されたアイデアの数々が2年の時を経て、やどの自慢となりました。セクションの垣根もここにはありません。人が足りないならフロントスタッフがレストランを手伝う、客室の掃除に飛んでいくといった助け合いの精神も根付き始めました。意識を変え目線を変える、それが老舗ホテルを一新させた原動力です。
旅をドラマティックに演出するコンセプトルーム
泊まる方をイメージしたドラマ作りからスタートした5タイプのコンセプトルーム。差し色に赤を使ったコンセプトルームシングルは、30代でキャリアアップを望みバリバリ働く女性、コンセプトダブルをシングルユースするのは、成田には17時間しか滞在できない世界を飛び回るビジネスマンという設定がなんともユニーク。アメリカNO.1のデザイナーに依頼した部屋はシンプルでスタイリッシュ。「1泊のお客様にとって、引き出し付き収納や大きなデスクよりスーツケースを開いて置けるベンチのほうが便利」と必要なものを厳選。設定時間に明かりがつく目覚まし機能も自慢のひとつ。「ベルだけよりすっきり起きられると好評です」と効果もお墨付きです。
旅への不安をすっきり解消!
新しいホテル日航成田の象徴であり、スタッフいわく「正真正銘のイチオシ」なのが旅のサポートセンター。「旅先の天気はどう?」、「どこで両替したらお得?」、「安全なタクシーの見分け方は?」など、旅の達人が親身にこたえてくれます。手助けの枠を超えることもたびたび。「先日、コピーを取ったコンビニにパスポートを忘れ、スペインのツアーに参加できなかったお客様がみえらえたんです」。チケットを手配し、ツアー日程を追ってホテルを確保、行き先の地図を手渡し、ひとり旅の心得を説明して送り出し、無事ツアーに合流。後日届いた笑顔の写真には、「忘れられない旅になりました」という感謝の言葉が添えられていました。ハプニングの連続ですが、「やっぱり旅が好きなんですね。お客様と話をしていると一緒に旅行をしている気分になれます」とにっこり。開設して1年足らずで「ここがあるからまた泊まります」というリピーター急増。現在は地元で稲刈りができる農業体験プランなどを考案中。空港のある地でない、魅力溢れる成田を伝えることが次の目標です。
広大に敷地を誇る大型ホテル。貯水池にはカルガモの姿も
11Fからは飛行機の離発着も見られる
66平米のジュニアスイートルームにはTVを2台設置
女性専用機もあるコインランドリーは3Fにあります
スタッフの笑顔で爽やかにお出迎え
玄関を入ってすぐにスタッフがキビキビしているなと感じました。そのことを櫻井さんにつげると、「ほとんどが1泊のみのお客様ですし、フライト時間の関係で、チェックインもチェックアウトもどうしても重なります。満室で約800名のお客様を『なるべくお待たせしないように』と思いながら動いているうちに自然と身に付いたのかもしれません」。スタッフ同士でひと言かわすときも笑顔。元気に働く姿は見ていて気持ちがいいものです。メキシコ・インド・中国などの国のスタッフも働く、国際色豊かな職場です。
花見にBBQ、人気イベント盛りだくさん
正直、成田空港に隣接するホテルというイメージだけをもって訪れました。だから、あふれる緑に、静かな環境に、驚かされました。敷地内には樹齢30年の桜の木が200本!ホテル日航成田は知る人ぞ知る桜の名所なのです。外国からのお客様は、早朝の散歩を楽しまれるかたが多いそうです。ふと、桜舞う中を歩く風景が思い浮かびました。美しい散歩道です。さらに、夏はバーベキューのメッカとしても有名で、「成田では一番人気です」とのこと。芝生の中庭でBBQもおいしそうです。都心のホテルにはない楽しみ方がある─「お客様にもっとホテル日航成田を堪能してほしいです」という意味がわかりかけてきました。
成田ならではの絶景を堪能
走る電車と飛び立つ飛行機がクロスする景色、晴れた日に見える富士山─心惹かれる眺めがたくさんあります。最上階(11F)のエクゼクティブラウンジは北滑走路の全貌が見られる隠れスポット。好きな本を片手においしいコーヒーをいただく、疲れたら窓の外をボーっと眺める─そんな心穏やかな時間を想像させる場所でした。
隠れた人気設備が1Fのロビーにもあります。最新のマッサージ機が2台。温泉ホテルの定番ですが、「ビジネスマンにとくに好評です」。DVDで自然の風景を見て、音楽を聞きながら、全身をもみほぐす心地よさはクセになること受けあいです。最後に案内された3Fのコインランドリーには女性専用機が1台。ありそうでなかった、ちょっとうれしい心使いです。
大きな荷物を抱えて、満員電車に乗り継いであたふたと空港へ。思い返せばこれも旅の思い出ですが、次回はホテル日航成田の1泊を日程に加えてみようと思います。出発前夜、お部屋で旅の計画を再確認。ガイドブックを開いて、買い物リストを作っているその時間も旅の一部と考えると、なんだか得した気分になりませんか?