のっぽビルの目印は鮮やかなオレンジのテント
リゾートテイストが加味された心地よい客室
誰もが驚くバスルームの広さと使いやすさ
エレベータ前にも小休止できるスペースが
あのアリエッタが大阪に登場
東京は五反田で、新時代のビジネスホテルとして注目を浴びているアリエッタホテル。その都外初出店の地として選ばれたのが大阪本町。銀行や大企業が集まるスマートなビジネス街の一角です。ロケーションについて支配人の永見守正さんは「賑やかなのは朝夕の通勤ラッシュ時とランチタイム。それ以外や休日は人通りがぐっと少なくなる。ですからお客様が在室されている時間はとても静か。ゆっくりとおくつろぎいただけます」と言います。
イタリアとアジアの融合でアットホーム感を
場所が場所なだけに、ターゲットはやはりビジネスパーソン。とりわけ女性が気軽に利用できるような雰囲気作りに力を注ぎました。「最も気を配っているのがラグジュアリー感を演出すること。来館してガッカリされることのないよう、エントランスやロビーのデザインには特にこだわりました」。外観はまるで洗練されたイタリアの建物のよう。館内にもふんだんに人造石のタイルがあしらわれていますが、家具は籐製のアジアンスタイル。ふわりと香るラベンダーのアロマやあちこちに飾られた花々が、ますますリゾート感を盛り上げます。
「イタリアとアジアのテイストをミックスさせて、温かみのあるアットホームなイメージを訴求しています。高い位置に鏡がたくさんありますよね。あれも単なる飾りではなく、スーツ姿のお客様がさっと身だしなみを整えるのに使っていただける備品になり、またスタッフがロビーでの状況を素早くフォローするためにも役立っているのです」。こうした落ち着きのある華やかさが好評を呼び、現在ではゲストの約4割は女性なのだそう。「ひとり旅や、ビジネスステイの女性が増えてきました」と永見さん。個人客に快適に過ごしてもらうため団体は受け入れず、多くても10室程度のグループのみ。家族連れの滞在も大歓迎です。
常に前を向いて進んでいきたい
「基本的には人間相手の商売ですから、お客様と積極的に会話をし、わがままもできるだけ聞いてさしあげたい。お荷物を部屋まで運び、観光のご相談に応じるなど、きめ細かなサービスを心がけています。そのためにはセクションにかかわらず、スタッフ全員に同じことが伝わり、全員が同じことを把握し、全員が同じことができるような態勢を維持していることが大切なのです」。
実際に「大阪は初めてなので緊張していたけれど、スタッフの方とお話ししてホッとしました」という声もよく届くのだそう。「実は、私も含めてスタッフの半分は府外から来ている人間たち。その心細さがよくわかるんですよ」と永見さんは笑います。オープンからようやく2年。知名度を上げるためにまだまだ奮闘中です。「一見、理不尽に思えるクレームにも何かヒントはあるはず。常に前を向いて、そよ風が感じられるようなホテルでいたいと思います」。
アメニティは小さなカゴに収めてベッドの上に
ロビーでサービスされる朝食はテイクアウト可
無料で使えるインターネットも用意されています
「バンクイメイ」でタイ式リラクゼーションを
ささやかだけど嬉しいこと
女性や若い年齢のゲストが増えてきたというアリエッタホテル大阪ですが、支配人の永見さんは「リピーターを獲得するためには、魅力的なプランやこのホテルならではの付加価値が必要です」と言います。そんな心意気を反映してか、館内には思わず頬がゆるむような「おもてなし」がたくさん。たとえば客室。入室して驚くのは、そのリゾート風の雰囲気だけではありません。
ベッドに置かれた籐のカゴ。通常はバスルームにセッティングされている各種アメニティが、花束のように収納されています。「時に男性のお客様から、どうせバスルームに持っていくのだから面倒・・・と言う声も上がりますが、この方が何だか夢があるじゃないですか。まとめて持ち運べるので便利ですしね」。また客室に常備していないアメニティなどはフロントに常備し、ゲストに自由に持っていってもらいます。少しでも資源のムダをなくすための工夫です。
また可動式だからといって、ベッドの品質が犠牲になっているわけではありません。マットレス、枕、デュベなど、寝具は快眠を追求したこだわりの品。乾燥や匂いが気になるなら、加湿器や空気清浄機をリクエストすることもできます。「ご滞在の際にこうした備品のリクエストを受けた場合、次回からは無条件でお部屋にご用意いたします。ゆくゆくは全室標準装備にする予定です」。
テイクアウトも可能な朝食サービス
アリエッタホテル大阪は、全ゲストに朝食をサービスしています。ロビーにスタンドを設けて各種パン、コーヒー、ジュースなどを用意。ソファでゆっくり食べてもいいし、テイクアウトして部屋に持ち帰ってもOK。このシンプルさがゲストに喜ばれています。またロビーフロアには、タイ古式マッサージ「バンクイメイ」がオープンしました。洗練された美しいサロンで、2室のトリートメントルームは貸し切りも可能。フットマッサージからアロマトリートメントまでメニューも多彩と、まさにリゾート気分が満喫できます。
狙い目はロングステイプラン
そして、遅い時間のフライトで大阪を発つゲストに、ぜひ利用して欲しいのがロングステイプラン。「たとえ1泊でもゆっくりお過ごしいただこうと、翌日の深夜0時まで追加料金なしで利用できるプランです」。つまり14時に入室すれば、最大で34時間滞在できるということ。チェックアウト後に重い荷物を持って動き回る必要がなく、また出発前にシャワーを浴びてリフレッシュすることもできます。ビジネス出張には実にありがたいプランといえそうです。
客室は全て素足に心地よい木のフローリング
イタリアンタイルが美しいバスルームは機能性抜群
簡単に動かせるベッドでレイアウトも自由自在
ワンピース型で着脱ぎが便利なナイトガウンも用意
ゲストにもスタッフにも機能的な客室
「えっ、ビジネスホテルなのに?」と、きっと驚く人も多いでしょう。アリエッタホテル大阪は、客室に入るとまるでリゾートホテルのような光景が展開します。艶やかな木のフローリングや優しい風合いの籐の家具、小物。窓からの光が真っ白なデュベスタイルのベッドに映え、明るさと清潔感を引き立てています。ワーキングデスクはなるべく窓のそばにしつらえて存在感を薄くし、フラットテレビはベッドからも見やすい位置に。こんな気持ちよさそうな空間にいたら、仕事なんてしたくなくなりそうです。
「木のフローリングは、このタイプのホテルでは珍しいと思いますよ。私たちも気に入っているのですが、実は意外と大変なんです」と永見支配人。カーペットと異なり、髪の毛一本落ちていても目立ってしまう木のフロア。またホコリがたまりやすいため、清掃の手を抜くわけにはいきません。キズの修繕、ワックスがけなど手入れも面倒。室内だけでも大変なのに、アリエッタホテル大阪は、何とバスルームまで木のフローリングに。「お客様には、温もりがあると喜んでいただけます。いちばん困るのはお湯が床にあふれてしまうことなのですが、お客様もおわかりなのか、トラブルは今のところありません」。
さりげなく美しくバリアフリーも実現
木のフローリングの利点はリゾート情緒を醸し出し、清潔感をアピールできること。しかしこのホテルでは、それ以上に重要な役割も果たしています。「客室内は全く段差がないので、車椅子のお客様やお体が不自由な方でも、スムーズにお使いいただけます」。さらにベッドは容易に動かせる軽量タイプ。左右に寄せたりくっつけたり。ゲストが最も使いやすいようにレイアウトを変えることも可能です。手が届きにくいベッド周辺の掃除もこれなら簡単にしかも徹底的に行えます。
大きなバスルームにはそこここに優しさが
また、どの客室もバスルームが広いのが大きな特徴でしょう。シングルルームなら、ひょっとしてバスルームの方が大きいのでは…と感じるほど。「引き戸を採用しているため、中には外に音が漏れるのを気にするお客様もいらっしゃいます。それでも、やはり使い勝手を優先したい」と永見さん。引き戸により段差が解消され、出入りは快適。中には車椅子をバスタブに横付けできるスペースのある客室も。大きな鏡と広い化粧台、ゆったりとしたバスタブの後方には丸い…ソープ置き?「でもあるのですが、お湯が回りこんで床に落ちないようにするためのストッパーなんですよ」。美しいイタリアンタイルで彩られたバスルームは、ユニークな機能性も秘めた全ての人に優しい空間なのでした。