自慢の汲み上げ豆腐。これが本当に甘~いんです!
ファンの多い大女将の「民話の語り」
湯治に来るゲストも多いとのこと
湯上がり後はお部屋でのんびりと
大女将の「民話の語り」で古(いにしえ)の上州を…
上越新幹線・上毛高原駅、上越線・後閑駅からバスで約35分、赤谷湖を見下ろす高台の上に猿ヶ京ホテルは位置しています。その昔、ある夫婦に親切にされた猿が、その夫婦の赤子の火傷を温泉で治したという伝説の残る、猿ヶ京温泉。ここでのんびり日頃の疲れを癒しながら、名物・豆腐懐石に舌鼓。酸いも甘いも知り尽くした大人が、時間を忘れて温泉バカンスを過ごすための極上お宿がそこにはあります。
豆腐懐石と並ぶもう1つの猿ヶ京ホテルの名物は、大女将の「民話の語り」。毎晩、囲炉裏を囲んでつきたてのお餅を食べながら猿ヶ京に伝わる民話を楽しめるこのイベント、30年も前から実施しているとのことですから驚き。「何千か…?わからない」(女将・持谷美奈子さん)というほどのレパートリーですから、リピートゲストでも常に楽しめます。温泉、豆腐懐石の後は、のんびりと古の上州に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
中には成田空港から直行するゲストも
猿ヶ京ホテルの特徴はリピートゲストの多さ。いつまでも身体がポカポカ温かいままの温泉や食事だけでなく、どこを歩いていても感じられる居心地の良さに、何となくその理由が分かるような気がしました。「何度もお迎えしているうちに、私たちも懐かしい友人に会うような気持ちになるほど。大浴場ではリピートゲスト同士で情報交換が行われているみたいですよ(笑)。中には成田空港から直行してくださるゲストもいるんです」とのことでした。
最近は「明日の午前中が空いたから」など、ふらっと訪れるゲストが多いそう。猿ヶ京ホテルが“旅行”ではなく、日常生活の延長線上にあるのかもしれませんね。女将は「人それぞれに使える時間の長さやタイミングは違うもの。自分のライフスタイルにマッチした形で足をお運びいただくのが一番。いつでも温かくお迎えします」と笑ってくださいました。
温泉には悲しみや辛さを癒す力がある
中にはこんなエピソードも。「ご夫婦で何10年も通っていただいているゲストの姿をしばらくお見かけしなかった時期があって。心配していたら電話があり、嫌な予感が当っていることを知らされました。『猿ヶ京ホテルに夫婦の思い出が多すぎて、近くまで来ても足を踏み入れる勇気を持てず帰ってしまっていた』と。でも先日、そのゲストが息子さんと一緒に来てくださったんです。そして『息子と一緒に来て新しい思い出ができた。妻を思い出すのもいいなと思えた。これからは1人でも来ることができます、来ます』と言っていただいた。…温泉や旅館には悲しみや辛さを癒す力がある、と実感すると同時に、だからこそ来た時より帰る時より元気になっていただける場所でなければ、と思いました。ゲストが帰る時にはいつも、『また』という言葉のありがたさを噛み締めると同時に、『またお会いできますように』と願いを込めてお送りしています」。
作りたての湯葉の美味しさを是非
前菜の定番「スモーク・ド・トウフ」
胃もたれの心配なしのフルコース
こだわりは朝食にも。和洋のバイキングです
その日に必要な豆腐をその日に作る
今から22年前「『これがあるから猿ヶ京ホテルに』と思ってもらえる何かを」と開発に取り組み、たどり着いたのが「豆腐懐石」。今日では猿ヶ京ホテルと言えば豆腐懐石、逆もまたしかり、と言われるまでに成長、多くのゲストの胃袋を喜ばせています。
豆腐は国産有機栽培の大豆と体に優しい電子水を使って毎朝工房で手作り。口の中で溶けるような風味のお豆腐は、いくらでも食べられるほどの美味しさです。現在では豆腐にとどまらず、アイスやうどん、豆乳パンなど、様々な豆腐関連食材を製造、多くのファンを惹きつけています。
「安全で美味しいものは手間暇を惜しんではできません。『より美味しく、より安全に』を目指して、日々メニュー開発に取り組んでいます」(女将・持谷美奈子さん)とのこと。ちなみに味噌も毎年3月に社員総出で仕込んだものですし、蒟蒻も蒟蒻芋から毎日作るとか。美味しくて身体にいいはずですね。
スモーク・ド・トウフ、引き上げ湯葉など、独特の風味を堪能
ディナーは平均14品。多いようですが胃もたれは無縁。それどころかいつもより胃が軽く感じられる、そんなフルコースです。
前菜の定番の1つである「スモーク・ド・トウフ」は、文字通り豆腐のスモーク。チーズのような感触はお酒にもよく合う珍味。豆腐を絞り、特殊な味噌に漬け込んで桜のチップで8時間いぶすという工程で作られるのですが、豆腐や蒟蒻同様その日に必要な分だけしか製造していません。「お土産に」との声も多いのですが、添加物を使わず、また1番美味しい瞬間を味わってもらうために食事でのみ提供し、販売は一切行わず。個人的にはもったいない気もしますが猿ヶ京ホテルに足を運ぶ理由と思えばいいのかも。美味です。心して食してください。
さらにメインとも言える引き上げ湯葉は豆腐懐石ならでは。絞りたての豆乳を原料にした作り立てホヤホヤの湯葉は、大豆そのものが持つ甘みがたっぷり凝縮。分厚く作るコツはスタッフに聞いてくださいね。
何度もおかわりしたくなる朝食
「バイキングの朝食は苦手」「普段朝食は食べない」、こんな人にも猿ヶ京ホテルの朝食はお勧め。ご飯はこだわって入手しているお米を毎朝かまどで炊きます。名物のすくい豆腐や焼き立て豆乳パンのほか、煮物や野菜などおかずの種類も多く、何度でもおかわりをしたくなるほどのラインナップ。
「身体にいいものを美味しく食べ、温泉にのんびりつかってリラックス、来た時よりも元気になる」をテーマに進化し続ける猿ヶ京ホテル。美味しくてのんびりできて、なお且つ身体にいいなんて、最高の贅沢。朝から晩までたっぷり堪能してください。
身体と心が自然にとろけるような感覚を楽しんで
貸切家族風呂は趣きが違うお風呂が2つ
フリースマント。購入して帰るゲストも
アメニティは「マーガレット・ジョセフィン」
こだわりの100%天然の温泉
温泉は2つの貸切家族風呂のほか、大浴場に男女それぞれ内風呂と露天風呂が1つずつ。四季折々の変化がダイレクトに楽しめる露天風呂は特に人気が高く、個人的にもお勧めです。ゆったりしたスペースで足を伸ばして目を閉じた瞬間に、自然に身体と心が解けていく感触。これぞ日本ならではの幸せ!と思いきや、猿ヶ京ホテルでは外国からのゲストも多いとのこと。今や温泉は万国共通の幸せスポットなのかもしれませんね。
お湯は柔らかく滑らかな感触。加水せず、パイプも通さず、汲み上げた源泉を温度調節をしながらそのまま利用していますから、不純物が紛れ込まない天然そのものの温泉です。実はこの水質を維持するために、猿ヶ京ホテルではあえて宿泊棟からゲストに足を運んでもらう構造のままにしているのです。
この少々の不便さをカバーするべく、2009年秋口からは特製フリースマントの提供を始めました。このマント、一枚布のフリースをボタンでとめただけのシンプルな造りですが、軽くて使い勝手も良く温か。「温泉に行くのが億劫ではなくなった」とゲストの評判も上々だそうです。
手足はポカポカ、肌はツルツル!の温泉効果を実感して
さて、こだわりの温泉の効果はいかに。まず驚くのはお湯から上がっても手足がずっと温かなこと。脱衣所はおろか、部屋に戻っても身体全体がポカポカ温かく、芯から温まっていることを実感することができました。また季節の変わり目でガサガサにささくれ立っていた肌もツルツルに。リピートファンが多いのも頷けるほど。ちなみに女将の肌も雪のように白く、ゆで卵のようにツルツル!温泉効果の何よりの証明と言っても過言ではないでしょう。
女将お勧めの季節は冬。真っ白な雪に覆われた時の猿ヶ京はまるで墨絵の世界のようで、ゲストからは「中国の掛け軸に描かれた桃源郷のよう」と言われるとか。「この時期は部屋から出るのが億劫かもしれませんが、1度つかるとなかなか体が冷めないという温泉効果を身体で実感できるいい季節。お勧めしたいです」(女将・持谷美奈子さん)。
温泉効果がより効果的な入り方って?
女将曰く温泉は「長風呂はせず、何度もマメに入ることが効果的」で、さらに「定期的に繰り返すと、より効果を実感できる」とのこと。リピートゲストは連泊をしてマメに入浴するというパターンを一定周期で繰り返す、もしくはキャンペーン価格の時に1泊、というスケジュールを月に何度も繰り返すそうですから、こうしたことを心得ているのでしょうね。ヘビーリピートゲストだと、「温泉成分が効いている」と自覚できる瞬間もあるとも!?温泉道、奥が深いです。