レセプションは奥にあり落ち着いてチェックインできます
旅立つ前から外国にいるような気分にさせてくれます
駅徒歩1分の地の利でカンファレンスや各種宴会にも
お手頃&多彩なレストランのブッフェはいつでも大人気
悲劇知らずの幸運なスタート
「メルキュールホテル成田がオープンしたのは2003年6月のこと。アメリカの同時多発テロやSARSの深刻なダメージが通り過ぎた後の、それはいわば「幸福な船出」でした。セールスマネジャーの横尾和哉さんは当時を回想し、「成田到着のエアラインクルー利用指定ホテルというポジション、周辺の工業団地に出張してくるビジネスマン、そして国外とりわけアジアの日本旅行ブームなどが追い風となって、非常に順調な滑り出しでした」と語ります。
初めての試練での再発見
しかし2008年末、世界的な不況がじわじわと状況を変えていきます。「ご存じの通り、周辺にはホテルが5軒もあるんです。価格競争に巻き込まれたらひとたまりもありませんし、また、それは我々の本意でもない。ブランドイメージを落とさずに、いかにお客様を惹きつけていくか・・・これは初めての試練かもしれませんね」。そこで、横尾さんが改めて見直したのが、地元成田とのつながり。「ここは空港周辺とは異なり、ホテルを出ても食事をするところや買い物をする場所がちゃんとある。たくさんの人が暮らしている下町なのです。だとしたら、地元の方々も、たとえお泊まりにならなくても大切なお客様なのではないかと」。
成田祇園祭で地元とコラボレーション
単に成田駅前に建っているホテルではなく、商店街の一角を担う存在に。これまでも地元の人々が利用しやすい土壌を作ってきたメルキュールホテル成田ですが、何よりも誇りにしているのが成田祇園祭への協力です。毎年7月に3日間にわたって行われるこの祭事は、勇壮な山車9台が各町内を練り歩きます。そんな成田っ子にとっては最大のイベントで、メルキュールホテル成田は5台の山車の立ち寄り場所。当日は祭りの熱気がそのままロビーになだれこんできます。
「立ち寄り場所に指定されているのは周辺ホテルで唯一。ホテルから山車にもふるまいをするのですが、大変名誉なことだと思います。国内からはお祭り目当てにいらっしゃるお客様も多いですね」。エアポートホテルとしての利便性はもとより、地元の人々がふだん使いできる施設であり、ハレの場にもなるメルキュールホテル成田。これからもエアポートホテルの枠を超えて、「成田のホテル」としても独自の地位を築いていくことでしょう。
18mのコースが3本ある爽快な屋内温水プール
スポーツバーは店内に飾られた品々も見もの
「セイシェル」のバラエティ豊かな朝食ブッフェ
ディナーのおすすめデザートは贅沢な盛り合わせ
本格的なフィットネス施設でワークアウト
メルキュールホテル成田の別館にある「クラブファースト成田」は、会員制のフィットネスクラブです。3フロア分を占めるという大規模かつ本格的な施設で、18メートルの屋内温水プール、ジャクージ、水風呂、サウナ、スカッシュコート、マシンジムにエクササイズスタジオまで完備。このクラブはテナントのため、各種レッスン受講やトレーナーの手配も可能。またスポーツウエアやシューズ、水着などもレンタルできるので、手ぶらで出かけても心配なし。ワークアウトを欠かせないという人や、ちょっと汗をかいてリフレッシュしたいというニーズにもしっかり応えてくれます。
スポーツ系ではないリラックスを求める向きには、本館にあるスパ「ザ・シーズンズ」がピッタリ。ここはスイートの客室を改装したサロンのため、トリートメントが受けられるのはたった一人だけ。他人を気にせずゆったりとくつろげる穴場的サロンでもあります。そのせいかクチコミで人気が広がり、今では営業時間の10時から22時まで、常に予約が入っている状態。エステ付きの魅力的な宿泊プランもありますが、いずれにせよ体験したいなら予約は早めにした方が確実です。
ハッピーアワーを狙え!
さて、メルキュールホテル成田では、ユニークなダイニングメニューも自慢のひとつです。外国人ゲストに絶大な人気を誇るのがスポーツバー「ハーフタイム」のハッピーアワー。バー内には地元のスポーツファンから「永久貸与」されているという、著名アスリートゆかりの品や秘蔵写真が展示されています。レストラン「セイシェル」はブッフェが有名ですが、エアラインクルーのごひいきは、プリフィクスカジュアルフレンチディナー。季節ごとに少しずつメニューは変わりますが、ボリューム満点で味も確か。とりわけ驚くほど多種多彩なメインは、どれをチョイスしても外れがありません。
気になるプランも目白押し
「ガールズナイトプラン」は、女性に好評なこのセイシェルでのディナーをヒントに生まれた大ヒット企画です。発案者はフロントオフィスマネジャーの遠藤健一さん。「最初のプラン名はレディスプランだったのですが、もっとお茶目なイメージをアピールしたかったんです」。反響は予想以上。このプランのために都内から訪れるゲストの多さから、9月以降の継続を検討しているそうです。
白、ベージュ、モスグリーンの組み合わせがさわやか
バルコニーに箱庭風のしつらえがある和室でほっと一息
女性グループでぜひ利用したいエレガントなスイート
パジャマでも浴衣でもなくサラリと着られるナイトウエアを
エアポートホテルらしさが際立つ夕刻
京成線及びJRの成田駅から徒歩約1分、アバンギャルドなエントランスデザインがゲストを迎えるメルキュールホテル成田のロビーは、中央にソファセットを置いた明るくカジュアルな雰囲気。ランチタイムは、お手頃なブッフェを楽しもうとやってくる近隣の主婦たちや親子連れでとても賑やかになります。ところが夕刻になるとムードは一変。ロビーを行き交う人々の多くが外国人にチェンジ。その内訳は、日本に到着し翌日の国内移動を予定しているゲスト、フライトを終えてきたエアラインクルーの一団などなど。いかにもエアポートホテルらしい光景です。
日本的なイメージを演出
客室は本館と別館に分かれますが、デザインや景観はほぼ同じ。周りに高い建物がないため、窓からは成田空港や成田の町並みを眺めることができます。真っ白なデュベスタイルのベッドは、やや低めの造り。そのせいか、横になると天井が高く感じられるという利点があります。室内は特に目立つ装飾はありませんが、ユニークなのが壁に掛かった「本日のお言葉」的な和風イラスト文字(英訳入り)。これが外国人ゲストに不思議と人気で、購入したいという声も少なくないのだとか。「海外からいらした方に、何か日本的なイメージを演出したい」という狙いは、しっかり当たっているようです。
満足できて断然お得な和室とスイート
メルキュールホテル成田で外国人、日本人を問わずに人気がある客室が和室です。ドアを開けると踏み込みがあり、廊下の先には別々に設けられたトイレとバス。ふすまを開ければ素足に心地よい畳敷きと障子窓があって、気分はすっかり温泉旅館。布団の上げ下ろしのリクエストも可能です。慣れない外国滞在から戻った時にこんな部屋で過ごせたら、日常に復帰する前のいい休養とリハビリになるでしょう。実際、年配者や家族連れのリピーターも多いそうです。
反対に、カップルや3人連れで利用するグループにおすすめしたいのが、スイートでの宿泊。ここは最後に改装されただけあってセンスのよさはピカイチ。ゆったりスペースに専用サウナ付きと、贅沢な空間を占有できます。お値段も割り勘にすれば断然お得。海外旅行に出かける際に、都内に宿を手配して成田に移動してくる費用を考えれば、このホテルでスイートに泊まる方が安く上がるかもしれません。周辺は商店街ですから外食や買い物も思いのまま。時間にゆとりを持って到着すれば、新勝寺をはじめ情緒たっぷりの下町散策もできてしまう。そんなプラスアルファの楽しみもある便利なホテルなのです。