ロビーには季節ごとに江戸情緒あふれる演出が
江戸の華を今に伝える粋で威勢のいい三社祭
春のうららの隅田川。眺めを何に例うべき…
完成すれば634m…東京スカイツリー(R)を真正面に
浅草随一の本格シティホテル
「むかしの浅草は外国映画の封切館や上映館がたちならび、(中略)モダンな空気というのは一種特別なものだったといえよう。そのころの〔名残り〕が、まだ浅草にはただよっているのだ」(散歩のとき何か食べたくなって/池波正太郎・新潮文庫)
雷門で記念写真を撮るカップル。仲見世で土産物を選ぶ外国人。下町らしい気っぷのいい掛け声。江戸情緒と昭和モダンを楽しむスポットとして、また最近では江戸風に再現された街並みも整備され、再び脚光を浴びている浅草。東京に数ある街の中でも、これだけキャラ立ちした場所は珍しい。そんな浅草にあって開業25周年を迎えた「浅草ビューホテル」。国際通り沿い、つくばエクスプレス浅草駅に直結。アクセスのよさもさることながら、浅草で泊まるべきはココ!と断言したい、魅力に富んだホテルです。
花火大会のために建てられた?
地上28階、客室数337室は、このあたりでは最大規模。「浅草は古い家も多くてまとまった土地を確保するのが難しいんです。今後うちを上回る規模のホテルは建たないでしょうね」と営業本部マネージャーの市川晋崇さんが言うように、周辺ではひときわ目立つ、白いスタイリッシュな外観のランドマーク的存在です。ロビーに入ってみると、アールデコ調のインテリアの中に、正面に巨大な羽子板。そして御神輿。洋の衣を着ていても、そこは浅草、心は和…というわけですね。
三社祭、ほおずき市、サンバカーニバル、酉の市、羽子板市…。有名どころだけでも指が何本も折れるほど、一年中、何らかの行事がある浅草ですが、中でもテレビ中継もされる「隅田川花火大会」。この日の浅草ビューホテルはいちばん予約が困難。なにしろ超ベストビューポイントなのです。「じつは、この建物、正面の国際通りに対して少し角度をつけて建てられているんです。およそ7〜8度。というのも、2箇所から上がる花火を両方しっかりお見せしたかったからなんですよ」とは宿泊課マネージャーの池田誠さん。ホントだ。しかも床までの出窓タイプで視界が広い。「花火大会や三社祭、百八会(除夜の鐘)のときは音取り用の窓も開けるから迫力ありますよ」なんて聞くと、ほら、実際に体験したくなりませんか?
浅草を楽しみ尽くすロケーション
浅草の街を散策しながら隅田川に出て屋形船や水上バスを楽しむのもいい。桜の春はまさに滝廉太郎の「花」の世界です。三社祭の勇壮な御輿はホテルの前を通り、国際通りを渡れば日本最古の遊園地「花やしき」や、落語や演芸を堪能できる「浅草演芸ホール」が。雷門や仲見世もすぐ。酉の市には威勢のいい手締めの声が響く鷲神社へも徒歩圏。見物だけでも楽しい合羽橋道具街もご近所。多彩な浅草の“いいとこどり”ができる絶好のロケーションです。さらに新たな名所として注目の「東京スカイツリー(R)」を真正面に望む奇跡の立地…なんて、あまりにも出来すぎです。
江戸の花嫁は人力車に乗って
著名な神社で挙式をあげれば生涯の思い出に
キャンドルサービスより鏡開きが私の好み
締めはみんなでカラオケパーティーでもいかが?
純和風で晴れの日を
日本ってカッコイイ。最近、とくに若い層から、そんな声を聞きます。生まれたころから西洋的な生活様式がアタリマエ。だから、かえって日本的なものが新鮮に映るのかもしれません。身につけるものにもどこかに和風をあしらうのがオシャレ。粋な和モダンテイスト。浅草の和装小物店などに若い姿が目立つのも、こういった風潮の表れでしょうか。
「純日本風のウエディングが人気ですね」と池田マネージャー。浅草ビューホテルは、他にはないこの地の利を活かし、周辺の神社と提携した婚礼プランを実施していて、これが大ヒットなのだとか。もちろんホテル内にも立派なチャペルや浅草神社唯一の分社の神殿があります。けれど、せっかくだから、江戸の由緒ある神社で挙式をして、将来「私たちはあの神社で結婚した」と言ってみたい。その思いは当然です。
浅草のシンボル的存在の「浅草神社」や、源頼朝が寄進した「牛嶋神社」、寄席発祥の地とされる「下谷神社」は、ホテルとの間を人力車で移動する風情あふれるプラン。さらに時代劇“銭形平次”の舞台で縁結びの神様であり江戸の総鎮守として名高い「神田明神」、学問の神として有名な「湯島天神」、日本一の酉の市で賑わう「鷲神社」、江戸最大の八幡様「富岡八幡宮」。どこも江戸を代表する著名な神社で、祝言を挙げるお二人はもちろん列席者にも深い感動を与えること間違いなし。
江戸ごのみを演出するホテル
江戸の伝統におごそかな寿ぎを受けたら、披露宴はホテルのパーティルームで。といってもそこは浅草ビューホテルです。華燭の典も“江戸ごのみ”を散りばめた粋なはからいが随所に。席札は提灯、扇子、熊手、てぬぐい。とても気が利いていて、思わず微笑んでしまいます。各テーブルでの“ミニ樽”の鏡開きは、宴席を楽しく盛り上げてくれそう。花嫁なら和柄を配したドレスも注目。ほかにも和モダンな演出が満載で、誰の心にも忘れがたい思い出として残るでしょう。
浅草の街を一望する最上階28階のトップバンケット「ベルヴェデール」や26階のスカイバンケットをはじめ、最大2500名様収容の「飛翔」など、宴会場は大中小17室。料理も日本料理、フレンチ、中華ほかミックススタイルにも対応でき、こだわりのおもてなしを実現します。
日本旅館のようなサービス
場所柄、結婚式以外にも、相撲部屋のパーティーやら噺家さんの集まりなども行われる浅草ビューホテル。「見番さんや振袖さんも多くいらっしゃいますよ」と教えてくれた市川マネージャーは、「シティホテルだけど慇懃に構えない。日本旅館のようなサービスを心がけています」と微笑みます。ほんとうに浅草の街のようにフレンドリーなホテルなのでした。
シックなインテリアで居心地のいいスイート「おうぎ」
落ち着いた色合いと眺めを満喫できる出窓がうれしい
浅草を一望する景観と本格フレンチに満足の「蒔絵」
一軒家の高級料亭?ホテルの中とは思えない「歌留多」
浅草唯一の“ホテル”として
浅草という一大観光地にあって、唯一といえる本格シティホテル。つまり、“ホテル”というものに求められる全ニーズに応えていかなければならない存在が、ここ浅草ビューホテルと言えるかもしれません。たとえばスイートルーム。「浅草ではうちにしかないので、すべてのスイートニーズをまかなっていることになりますね」。規模から考えると少し多めの10部屋。グランドピアノやマッサージルームまでも備えた「かんざし」をはじめ、どれもゆったりとしたハイグレードなつくり。
もちろんスイート以外の客室も、浅草観光の拠点や出張の声に応えてきた質の高さを誇ります。シングルでもベッドサイズは大きめ。落ち着いたインテリアで、テーブルもしっかり備え付けられていて使い勝手も満足。そして、窓の外には東京スカイツリーが。浅草寺の境内や五重の塔と一緒に東京の新名所を眺めるロケーションは、ここにしかない景観です。
洒落心を満たすレストラン
ホテルが隣接する浅草六区といえば、東京随一の賑わいを誇った歓楽街。周囲には食の名店も数多く、この厳しい環境の中で勝負するのは大変だろうな…と思わずにはいられません。しかし、そこは浅草に高級シティホテルの文化を持ち込んだ矜持。10店あるレストランは、それぞれ趣向を凝らし、ゲストはもちろん地域の人々からも愛される存在です。
浅草の街並みを眼下に望む27階には、フランス料理の「蒔絵」と中国料理の「唐紅花」。旬の素材を活かした本格的フレンチに広東料理とヌーベルシノアが、シックな雰囲気の中で味わえます。夜景もまたロマンチック。各種個室の用意もあり、会合などに好都合です。
日本料理は6階の「歌留多」で。池には鯉や亀が泳ぎ、鷺が舞い降りることもあるという風情ある日本庭園に面し、ここがホテルの中層階?と思わず疑いたくなるような安らげる雰囲気。まさに高級旅館のようなつくりで背筋も少し凛とします。座敷の個室では集まりの種類によって掛け軸も替える心遣い。併設のすし処「双六」はタネを乾かさないよう氷で冷やすという伝統手法を踏襲。この一点だけ見ても、舌の肥えた下町っ子に愛される理由がわかります。
浅草ステイを心ゆくまで楽しめるホテル
地下にはメインバーの「アイスハウス」。アメリカ現代美術の第一人者アンドリュー・ワイエスによる同名の絵画が飾られた、シックでモダンな大人のムード。カラオケルーム「ビー・ワン」では、ホテルレストランの味に舌鼓を打ちながらマイクを握る人で連日大賑わい。さらにコーヒーハウスやラウンジ、パティスリーといった飲食店の他に、豊かな日差しが差し込む室内温水プールも備え、浅草ステイを心ゆくまで楽しませてくれます。