マダムヨーコの辛口旅サロン「目指せエレガント・トラベラー」
Vol.
18

マダムが見た「こんなクレームはダメです」集

マダムヨーコの辛口旅サロン マダムが見た「こんなクレームはダメです」集

みなさま、ごきげんよう。今月は2回ご指名の売れっ子、マダムヨーコでございます。来週からは4月。生活や環境がガラリと変わり、新たな人間関係づくりに取り組んでいかれる方も多いことと存じます。むずかしぃ?と思うなかれでございますわ。実のところ、人をほめるというのはとても簡単なこと。しかもほめられた人もほめた人もいい気持ちになり、雰囲気もポジティブになるのです。気が合わないなと思う相手でも、人間必ず長所はあるはず。そこをきちんと認め、ほめてごらんなさいな。きっと二人の距離はぐっと近くなりますわよ!

公共の場で大声を出すのは恥ずかしいことです

ああ、なんだかソフトな細木数子のような説教をしてしまいました。まあ、本当に人をほめる心を持つのは大切ですが、反対に面と向かって文句は言いにくいもの。関係が近しくなればなおさらです。しかし。関係がない人には平気で横柄な態度を取れちゃうのが、悲しいかな日本人。今回はマダムが海外で遭遇した、ダーク気分になること請け合いのダメクレーム集を告発します。

ダメクレームの代表的なのが「大声で威嚇する」タイプ。言い分が間違っているとか正しいとかは関係ありません。自分の要求を通すためにパブリックの場で他人(しかもその大半がきちんとした大人です)を怒鳴るというのは、きわめて見苦しい行為です。日本のホテルはグレードのいかんにかかわらず、非常にサービスのクオリティが高いですわね。何かリクエストをして、たとえそれがそのスタッフの担当ではないとしても、できるだけのことをしようと努力してくれます。これは本当に素晴らしいことで、一人一人がコンシェルジュ兼バトラーの心構えを当然のように持っている日本のホテルの応対は、外国人ゲストに驚きと感動を与えているほどです。

海外では「サービス」は無料ではありません

外国、特に欧米は違います。オソロシイほどに役割分担がハッキリしているし、安いホテルではサービスだってぐっと「お安く」なります。これがわからない日本人がとても多いのが問題なのです。コンシェルジュに依頼すべき事柄をフロントにリクエストし「できない」「知らない」と言われて激怒。1泊数千円レベルのホテルに泊まって「壁が薄くて眠れない」「お湯が満足に出ない」と激怒。いくら文句を言われたところで、言われた方にしてみれば、本当に自分にはそれに対応する権限がないわけで、「できない」としか言いようがないのです。これが日本人には「誠実さが足りない」と映る。そして怒髪天。こんな光景、あちこちの国のホテルで目撃しております。

ミスターMも折に触れ教示しているように、外国では「サービス」はただではありません。黙っていても手取り足取り、至れり尽くせりの世話を焼いてくれるのは日本だけです。まず、自分のクレームは何を希望する故のものなのかを冷静に把握して行動しましょう。もしタオルがないとか、電球が切れたのにちっとも換えに来てくれないとしたら、自分からフロントに行って「取りに来たよ」とイヤミのひとつでも言ってやればいいのです。部屋でじっと待ちながらストレスをため込むくらいなら、動けばいいのです。きちんとしたホテルマンなら、きっとゲストにそんなことをされたら恥じ入るでしょう。平然としているのなら、まあそのレベルということです。

肩書きを使ったクレームはサイテー!

マダムは海外ホテルにお勤めの日本人スタッフの方々とお話しするのが好きなのですが、「マジ!?」と思うようなお話を聞くことがあります。とあるリゾートでは、通されたお部屋が気にくわなかった日本人ゲストが、高層階&シービューへのチェンジを希望。しかし彼は団体ツアーでの利用。誰が考えたって無理な要求です。丁寧にお断りしたところ大激怒。「オレを誰だと持っているんだ!××(超有名な日本企業)の○○だぞ。こんな扱いして、これからどうなるかわかってるんだろうな!」。いや、これは個人的な旅行でしょ、なんて言ってしまったら火に油。しかもその企業とは実際お付き合いがあるということで、もはやアップグレードに応じざるをえない状態になってしまったのだとか。

ところが、それで終わりではありませんでした。「すぐに部屋を変えなかった。失礼だ」という言いがかりのもと、そいつは朝食券やスパの招待券、さらには宿泊費のディスカウントまで要求しはじめたそうです。自分の手に負えないと判断したスタッフは上司に相談。彼(外国人)が直談判に行くと、とたんにおとなしくなった・・・。なんじゃそりゃあ!もう、典型的な日本のオヤジです。エライのは会社であって、あんたじゃないっ!

「ネットに書くからね」という脅しもサイテー!

あと、最近よく聞くのが「ゴネ得」を手柄のようにしているゲストの話。きっかけは、部屋に戻ったらクリーニングがすんでいなかっただの、到着時に日本人スタッフが挨拶に来なかっただの、ホンットにささいなこと。ホテル側の手落ちも確かにありますから、お詫びにお部屋にフルーツやチョコレートをサービスすると、「せっかくの旅行が台無しになったのに、こんなんじゃ許せない」と強欲リクエストがスタート。ジャパニーズ肩書きオヤジと同じです。スタッフが「それはちょっと」と言おうものなら、「ネットでお宅のやり口(どっちがじゃ!)を公開するけど?」。どうしようもありません。こんなことで「得」をして、本当に嬉しいのでしょうか。マダムには理解できませぬ。

まさかとは思いますが「おっ、こういう手があったか!」なんて思う方、いませんわよね?!? ちなみに。こうしたあくどいクレーマーがいた場合、ホテルは系列や連携ホテル内でブラックリストを回します。また親しい同業者へもクチコミで伝えていきます。一度自分の要求が通ったからといって「さすがオレ様」と天狗になるなかれ。必ず、どこかでイタ?イしっぺ返しがありますわよ。ホーホホホホ!

「察してくれるだろう」はクレームの大敵

先のようなダメクレームの数々の根底にあるのは「言わなくても察してくれるだろう」という、日本人特有の甘えではないかとマダムは思います。中でも困りものなのが、会社に行けばお茶から目を通す書類の用意までゼ?ンブ部下にやってもらい、家ではハウスキーピングから着替えのセッティングまで奥様に面倒を見てもらっているオジサマ族。やってもらって当然だから、他人を対等に見るということができません。こういう人が海外旅行をして、ホテルやレストランでどういう態度を取るか・・・もう、言わなくてもおわかりかと!!

クレームとは、相手を見、冷静に判断し、最良の結果を引き出すために押したり引いたりするコミュニケーションに他なりません。上手なクレームはほめ言葉と同じで、言われた方も言った方も、お互いが気持ちよく手打ちできるもの。キレて、怒鳴って、ますますイヤな思いをするくらいなら、自分の要求と相手の限界をちゃんと見極めて、スマートなやり取りを心がけましょう。そして、相手ができるだけのことをしてくれたと思ったら、多少足りないところはあっても笑顔で「ありがとう」を。遠い距離の人間関係は、こんな形でもぐっと近づいていくんですのよ。

「そこが知りたいホテルの常識」は、ホテル滞在にかかわらずサービス業全般で、スマートなゲストとして振る舞うためのお役立ちヒント集。海外旅行の前は必ず復習していってくださいませ。それではみなさま、また次回。Ciao!

聞かせて、あなたの声を

マダムヨーコは引き続き、みなさまからのお便りをお待ちしております。現在募集中のテーマは「世界の空港のXXスポット」。あなたが知っている、もしくは旅行中に発見した世界の空港の穴場or不思議orキテレツor怒髪天スポットを教えてください。「ここがヘンだよ日本人」海外で見かけた日本人の困った習慣、直すべき態度などをご指摘ください。さあ、常連のみなさま! ずいぶんあちこちの旅をしているのではありませんこと? あなたの体験をぜひ、ぜひ、マダムに聞かせてくださいませ!!

使えるワンポイント英会話

「I just can´t take it !」

そうはいっても、も?う我慢できないわ!という時の決めフレーズ。「限界よっ!」「耐えられないっ!」というギリギリの気持ちを表現します。ヒステリックに言うのが正しい(?)使い方ですが、あえて堪えて超クールに言ってみては? 戦慄的なほどに相手をビビらせる効果があるかもしれません。

他にも、あらゆるシーンで役立つ英会話がそろってます!

マダムイラスト
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クレームとほめ言葉は同じ

一見正反対に思えるクレームとほめ言葉。でも、言う方も言われた方も気持ちよく受け取れるのが最高という意味では、同じ性質のものなのです。

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