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今月的推薦 〜Monthly Recommendation〜

※下記は2007年のバックナンバーです。
12月的推薦 : 冬こそ行きたい!ハルピン&長春
ロシアや北朝鮮との国境に位置する黒龍江省や吉林省は、涼しく過ごしやすい夏が終わると氷点下が続く厳しい冬を迎えます。実はこのウインターシーズンこそが中国東北エリアの狙い目。雪と氷を最大の資源として、驚きと感動の各種エンターテインメントが繰り広げられるのです。 近代的な街並みの長春は吉林省の省都
近代的な街並みの長春は
吉林省の省都


ハルビンの氷祭りに現れる巨大な雪像
ハルビンの氷祭りに現れる
巨大な雪像
歴史・政策上、ロシアとの深い関係を余儀なくされてきた黒竜江省の省都ハルピンは、当時の面影を色濃く残す西洋建築物が独特の雰囲気を作り上げている都市。それらが集中する中央街道に近い兆麟公園は、あたりが雪景色に染まる頃からにわかに活気づいてきます。ここはハルピン最大のイベント「氷祭り」のメイン会場。何よりも訪れる人の度肝を抜くのが、公園の中央に鎮座する巨大な氷像。そして、これに対抗するのが松花江対岸の太陽島公園に登場する雪像です。大きければ大きいほど素晴らしいという国民性ゆえか、そのサイズや規模は毎年増大していくばかり。そんなふたつのメインオブジェを中心にハルピンの町中はカラフルな氷灯に埋め尽くされ、夢のようなアイスワールドのできあがり。まさに「中国の雪の里」にふさわしいビッグイベントなのです。


もっとハードにウインタースポーツを楽しみたいという人は、中国国内でも有数のスキー場吉家長寿山も足を運んでみませんか?場所はハルピンから車で1時間弱、15あるゲレンデはすべて山頂でつながっているだけでなく、最長のゲレンデが約2300m、最も幅の広いゲレンデが約100mと全国一、そしてレストランからレンタルショップ、宿泊施設まで完備したスキーセンターは国内最大級と、これまた何もかもが超弩級。ちなみにここでは年間の約3分の一が滑走可能だのだとか。雪質もよくビギナーから上級者まで文句なく楽しめるのもうれしい限りです。 霧松
霧松


氷祭りに登場した寿桃
氷祭りに登場した寿桃
ハルピンの氷祭り比べると知名度はいまひとつですが、近年じわじわと人気が高まりつつあるのが長春の「浄月潭氷雪祭り」です。長春は高級国産車「紅旗」や中国映画事業発祥の地として有名な吉林省の省都。イベント会場となるのは浄月潭国家森林公園です。こちらもハルピンに負けず劣らず「世界一」の氷雪彫刻を作りあげるのが毎年の課題(?)。完成のお披露目は12月24日頃ですが、100人以上もの人々が加わる制作過程を見学するのも一味違った思い出になりそう。ずらりと並ぶユニークな作品を楽しむだけでなく、雪上バイクや犬ぞりなどの爽快なスノーアクティビティも用意されています。


省は違えど、距離にすれば移動もさほど困難でないハルピンと長春。どうせなら両方のお祭りを訪ねて、どちらが今年の「世界一」か、あなたの目でジャッジしてみてはいかがですか?  ハルビンの東正教堂。西洋建築が独特の趣
ハルビンの東正教堂。
西洋建築が独特の趣
11月的推薦 : 悠久の時を刻み続ける雲南省へ
広大な中国の最南西部に位置しベトナム、ラオス、ミャンマーと接する雲南省は、濃厚な緑に囲まれた幽玄な土地。多数の少数民族が住み暮らし、独特の文化を守り続けていることでも有名です。今回は雲南省への旅の拠点となる昆明と人気観光地の大理麗江の見どころを紹介します。 昆明
昆明


昆明・石林
昆明・石林
中国でも有数のハブ空港を有する昆明は雲南省の中心地。また1922年創設の雲南大学をはじめ高名な教育機関が集まる学術都市でもあります。見どころは多々ありますが、中でも雄大な自然が作り上げた石林は、実物を見た人がみな声を失うほどの大迫力。中国国内四大自然景観のひとつにも数えられています。そして昆明市民の新しい自慢が昆明世界園芸博覧園。これは1999年に開催された昆明世界園芸博覧会の跡地に造られた公園で、広大な敷地の中にさまざまな施設が設けられています。300万株の花々で彩られた全長850mの花園ストリートはまさにヘブンリーロード。ガーデニングに興味がある人には必見のスポットといえるでしょう。


周辺住民が情報交換のため毎年3月に集結した歴史を持つ大理は、別名「三月街」。名前の通り大理石の産地としても知られており、白大理石の家並みが荘厳な雰囲気を醸し出しています。この景観をさらに美しく彩るのが標高4,122mの滄山とその麓に広がる湖・アル海、そして中心民族であるペー族のまとう華やかな衣装です。常にうっすらと雪を頂く滄山は大理の風、花、雪、月の四大絶景のひとつ。また雪に加えて雲、峰、渓は滄山四大奇観ともいわれています。つまりどんな季節でも天候でも、滄山は美しい姿を人間に見せてくれるということ。アル海には、その眺めがたっぷりと堪能できるクルーズ船が用意されているので、大理を訪れたらまず湖上に乗り出してみてください。 大理の町
大理の町


麗江の町
麗江の町
雲南省で大理と並んで高い人気のある観光地が麗江です。世界遺産にも登録された旧市街の麗江古城は迷路のような小道や水路が張りめぐらされ、どこを歩いても絵になるような風景が広がります。興味深いのがあちこちに掲げられたナシ族の象形文字「トンバ」。日本でも烏龍茶のラベルデザインに採用され、ちょっとした「トンバ文字ブーム」が起こったことがありましたね。ひなびた風情の外観を保ちながら土産物屋やカフェの内部がしゃれた内装になっていたり、ふと路地を入ると民家の軒先に出たり市場が建っていたりと、あてのない町歩きが楽しめるのも麗江の魅力。また郊外にある虎跳峡はトレッキングの名所。断崖絶壁を歩くハードなものなので、体力に十分自信のあるときにチャレンジしてください。
10月的推薦 : これだけははずせない!シルクロードの旅
悠久の時を経て、今なお旅人の憧れと郷愁をかきたててやまないシルクロードの旅。広大なエリアには胸ときめかせる見どころが満載ですが、旅の起点となる西安と、人気立ち寄り都市である敦煌新彊で「これだけははずせない!」必食アイテム&必見スポットを紹介します 華清池
華清池


大雁塔
大雁塔
西安の小麦文化を代表する料理・刀削麺

シルクロードを経由して洋の西と東に伝えられたものの中で、私たちの生活の中に今日もしっかりと根付いているのが小麦という食材。西安でも1日のうちの2食は麺や餃子が主食というほど、小麦を使った料理が有名です。中でも旅行中にぜひ味わってみたいのが「刀削麺」。よく練った小麦粉の塊を抱え、小刀で薄く削ぎながら熱湯の中に落としていくというエンターテインメント系の調理法が目にも楽しく、茹で上がった麺のもっちりとした食感も食べ応え十分。スープはマイルドから超辛口まであり、アレンジもバラエティ豊かです。麺好きの日本人なら絶対にハマルこと請け合い。ぜひお試しあれ!


仏教の歴史を物語る敦煌の莫高窟

敦煌の南東約25kmのところに位置する莫高窟は、世界遺産に登録された仏教の長い歴史を物語る遺跡です。中心となる石窟の造営がはじまったには何と西暦366年。その後様々な民族に支配されながらもコツコツと造り続けられ、600余の洞窟の中に2400体を超す仏像が安置されています。1900年には唐時代以前に記された貴重な文献が見つかり、これは「敦煌文献」として大いに注目されました。本格的に遺跡の保護がはじまったのは中国共産党体制になってからのこと。とはいえ砂漠による浸食が激しく、埋没の危機も間近だとか。参観できる箇所は限られていますが、時間を取ってゆっくりと神秘的な笑みを浮かべた仏様のお顔を拝んでみたいものです。
兵馬俑
兵馬俑


玄蔵
玄蔵
新彊・火焔山はあの人気ドラマの舞台となった場所

新彊ウイグル自治区のトルファンはウルムチから東へ約183km。シルクロード時代から現在まで北と南を結ぶ交通の要所として栄え、賑やかな露店が並ぶことから観光客にも人気の高い都市です。ここのおすすめは「火焔山」。海抜851mに達する頂を備えたこの山は、酷暑がきびしいトルファンの夏場にはゆらゆらと燃えているようなたたずまいを見せることで有名。「西遊記」の中には孫悟空がここで大バトルを繰り広げるエピソードもあります。実際に日本のテレビドラマ「西遊記」の舞台にもなり、本物の火焔山の大迫力に「実物を見たい!」と足を運ぶ日本人が急増中。東西約100km、南北約10kmにわたる広大な山地ですので、現地ツアーや車をチャーターしての見学をおすすめします。
9月的推薦 : 厦門から世界遺産の武夷山へ!
生まれ育った中国を後にし、夢を希望を抱いて海を渡っていった人々。厦門(アモイ)は、いわゆる華僑の出身地として有名な場所。海外に定住している華僑約35万人のふるさとです。明の時代から交易の要所として栄えた港町であり、行き交う船とともにさまざまな文化が持ち込まれてきた厦門ですが、アヘン戦争後には西欧列強の貿易拠点として一躍注目が集まります。彼らを魅了したのが南西部に浮かぶ小さな島、コロンス島。1920年に共同租界地になったことから数多くの外国人や中国の富裕層が移り住み、豪華な別荘を次々と建設。当時の情緒は現在でも色濃く残っており、厦門観光では必見のスポットとなっています。 南普陀寺(なんふだじ・ナンプートゥオースー)
南普陀寺(なんふだじ・ナンプートゥオースー)



鼓浪石(ころうせき)
鼓浪石(ころうせき)
コロンス島は中国語で「鼓浪嶋」。雨や風で浸食された岩が洞窟状になり、満潮時にそこにたたきつけられる波が「グアラングアラン」と太鼓のような音を立てたことに由来するのだそうです。豪奢なコロニアル様式の建物が点在する風光明媚なこの島の別名は「海上花園」。そしてもう一つが「音楽の島」。かつて欧米から持ち込まれたピアノは、この島の音楽教育に大きな影響を与え、音楽学校からは世界的なピアニストも輩出しています。今日でも家庭のピアノ普及率は中国一を誇り、3軒に1軒はピアノが置かれているのだとか。ここのピアノ博物館では、世界で最初のピアノも展示されています。



コロンス島の異国情緒とは対照的に、伝統的な中国式の生活を守る「客家(ハッカ)」の人々が暮らすのが永定土楼です。場所は厦門の西約100Kmの山間部。客家は3世紀に異民族の侵攻から逃れてきた漢民族の末裔。永定土楼はぶ厚い土壁で塗り固められた城塞のような巨大集合住宅で、敵から身を守るために出口は1カ所だけ、窓のほとんどない独特の迫力を持つ建造物です。内部は木造で広場は共同。数百人が大家族のように協力し合う心豊かでのどかな生活と、素朴さがにじみ出るような客家料理は忘れられない印象を残すことでしょう。 客家(ハッカ)
客家(ハッカ)



武夷山(ぶいさん)
武夷山(ぶいさん)
厦門を擁する福建省のもう一つの自慢が武夷山。大王山を中心とする広大な山並みの総称で、中国人が一生に一度は訪れたいと願う名勝のひとつであり、世界遺産にも登録されています。川岸に36もの岩々が屹立する九曲渓の絶景は特に有名ですが、それ以上に有名なのがこの偉大な自然が育んだ「岩茶」。野生のチャノキの茶蔓から作られる最高級の烏龍茶です。原料となるチャノキ「大紅袍」は、一説には4本しかないという超貴重なもの。それだけに、お値段も超高級(7年前、最高級品が20gで約250万円の値が付いたことも!)。このお茶が皇帝の病気を治したという伝説もあり、まろやかな口当たりと果実を思わせる芳醇な香りは、一度飲んだら買わずにいられなくなること確実です。

華僑のふるさとと漢民族の末裔、厦門を起点に中国の歴史の2つの側面に触れられる福建省への旅。これからが観光には絶好のシーズンとなります。ゆっくり町歩きや散策を楽しんでみてください。
8月的推薦 : 熟年カップルに聞く「初めての上海、驚きの旅」
今春、初めて上海、無錫、蘇州を旅してこられたという70代の熟年カップルに、その感想をうかがいました。新鮮かつ実感のこもったお話は、まさに経験者ならでは。ちょっとした旅のヒントも含まれていますので、これから中国訪問を計画している方は必読です。



■行く前と実際に足を運んだ際の印象は?
ご主人 「事前に聞いていた話とそれほど違いはありませんでした。ただ無錫と蘇州が意外に近代的な都会で、イメージしていた田舎町という情緒は感じられませんでしたね」

■上海はいかがでしたか?
奥様

「黄浦江にタテ3mヨコ10mもあるような巨大モニタを積んだ広告船が浮かんでいたのには、びっくりしました。街も大きかったですね。片道4車線もある幹線道路があったり。でも少しわき道に入ると、舗装もされていないデコボコ道になるんですよ」

ご主人 「車が次々来るのに、信号を無視して横断する人が多くて驚きました。車も負けずに、クラクションを鳴らしながら割り込んでくる・・日本ではありえない状況でした」

■一番印象に残っている場所は?
奥様

「やっぱり豫園ですね。旧正月のすぐ後だったのですが、まだまだお祭り気分が残っていて賑やかでした。雰囲気が浅草とよく似ていて、とても楽しめました」


■困ったことなどありませんでしたか?
奥様

「トイレが扉に鍵がなく、後ろの人に手で押さえてもらったこと。街中のレストランだったのに、ですよ。トイレットペーパーもないし、使用後の紙を流さず箱に捨てなければならないのには抵抗がありました」

ご主人 「利用したのは4星、5星のホテルだったのに、日本語はもちろん英語もわかる人がいなかった。トイレットペーパーひとつ頼むのにもさんざん手間がかかりました」

これから中国に旅される方にアドバイスを
お願いします。
奥様

「ティッシュペーパーとウエットティッシュは常に持ち歩いていたほうがいいですよ。また水道水が飲めないのですが、ホテルの客室に置かれているミネラルウオーターでは足りません。こまめに買うなどして補給しておくことをおすすめします」

ご主人 「現地ツアーで案内される工場直販の名産品店は、店員がぴったりくっついてきて手ごわいです。同じ品物でも店によって値段が違うので、雰囲気に乗せられて買ってしまい、後悔しないように気を付けてください。また豫園などの観光地では売り子に取り囲まれたため、大声で「不要(プウヤオ)!」と叫びながら通り抜けました。黙って無視してもしつこくついてくるので、はっきり意思表示をしたほうがいいと思います」
上海のショッピングストリート
上海のショッピングストリート


とても近代的な大型ショッピングセンター
とても近代的な
大型ショッピングセンター


夜も活気溢れる上海
夜も活気溢れる上海


上海きっての観光地「豫園
上海きっての観光地「豫園」


豫園周辺の街並みは、東京の浅草のよう。
豫園周辺の街並みは、
東京の浅草のよう。


他にも「虎丘、留園、寒山寺がそれぞれ印象深かった」というお二人。良くも悪くも驚きに満ちた旅だったご様子です。
さあ、あなたもそんな思い出に残る中国の旅に出向いてみませんか?
7月的推薦 : 癒されて楽しめる中国の避暑地
その乾燥した空気もあいまって、本当に目がくらみそうなほど暑い中国の夏。都市部の観光に疲れて「ちょっとのんびりしたいなあ」と思ったら、迷わず郊外へ。今回は、中国の人々も涼を求めて訪れる代表的な避暑地をご紹介します。



青島  
青島は北京の南東、山東半島の端に位置する三方を海に囲まれた港町。2008年オリンピックにはヨット競技会場となる予定です。夏でも過ごしやすい気候で海水浴場もたくさんあります。1898年にドイツ租界となり開発が始まったことから、多くの国際的企業が進出。旧市街には赤レンガのヨーロッパ風建築物が並び、中山路から桟橋へのルートはことのほか欧風情緒が漂う散策路。海沿いは国内きってのリゾートエリアでもあり、八大関景区には政府関係者や富裕層の瀟洒な別荘がズラリ。蒋介石の別荘だった花石楼もその中の1軒です。そして青島といえば、忘れてはいけないのが青島ビール。その歴史博物館では貴重な製造機械の数々を見学できます。毎年8月には「青島ビール祭り」が開催されるので、ビール好きはこの時期を狙って訪問してみては?
青島



  承徳
避暑山荘(ひしょさんそう)
内モンゴル高原と華北の平原の間にある承徳は、1985年に中国の十大景色名所のひとつに選出された、雄大かつ不思議な自然の景観が人気の観光地。シンボルは長寿の象徴でもある棒槌山です。他にもチベットと中国様式を組み合わせた寺院群、別名小ポタラ宮と呼ばれる世界遺産の普陀宗乗之廟や、清朝の皇帝が避暑地に利用した現存する最大規模の皇室庭園で、世界遺産にも認定されている承徳避暑山庄など、必見スポットが満載です。夏は比較的涼しく、やや雨が多いのが難点ですが、雨がそぼ降る景勝地の景観は何とも言えない美しさに満ちています。



桂林  
桂林は、宋代から清代まで約800年にわたり広西地方の政治・経済・文化の中心として栄えた悠久の都。夏の最高気温は20℃前後と、観光には最適の気候です。中心を全長437kmの漓江が流れ、その両岸を彩る幽幻な景観は、まるで山水画から抜け出してきたかのよう。その醍醐味がたっぷりと味わえるのが漓江の川下りです。実際に桂林の山と水は中国人民元のデザインになったもので、中国には「桂林山水甲天下」(桂林の山水は天下一)という言葉もあります。また、ここには壮族、瑶族、苗族、ドウ族、毛南族など多数の少数民族が暮らしており、彼らの文化を採り入れたチャン・イーモウ監督による「印象劉三姐ショー」は新たなエンターテインメントとして人気を呼んでいます。
漓江(りこう)

その他にも九寨溝や雲南省の麗江も、年々渡航者が増えている注目の観光地。いずれもベストシーズンは7月から10月ですので、暑い夏のひととき、一服の涼を求めて訪れてみてはいかがでしょう。
6月的推薦 : 北京の下町から消えゆく伝統住宅「四合院」
四合院
中国の下町を歩いていると、頻繁に目に飛び込んでくる丸で囲まれた「拆」の字。

これは落書きではなく「この建物は取り壊します」という政府からの通告なのだとか。古くて不便な建物から近代的なものへ・・・オリンピックを控えて建築ラッシュが続く北京でも、あちこちに「拆」の文字が見受けられます。昔ながらの暮らしが色濃く残っている胡同もまた、「拆」の脅威にさらされている場所。そして壊されていくのは伝統的な住宅である「四合院」です。



四合院とは中庭を中心にその四方を家屋で囲んだ左右対称な住宅建築のこと。

四合院の「四」は東西南北を意味し、外に通じているのは門のみという構造。通常は窓もなく、かつては風水によって主人や使用人などの住む「位置」が決まっていたそうです。門を閉じればそこは住む人だけの安全で閉鎖的な空間。それだけに住人は工夫を凝らし、裕福な商人などは華麗な内装を施していました。そして時代とともに庶民にも開放され、現在では中国ならではの独特な集合住宅として利用されています。ちなみに北京では人口の約半分が、この四合院で暮らしているそうです。
四合院
 



四合院
古い建物を手入れし、隣人とも家族同然の親しい付き合いができる四合院。

しかしながら日当たりの悪さや、光熱設備の不便さは致命的で「生活しにくい」と、今風のマンションに移転してしまう人々も増えてきました。これも四合院の取り壊しに拍車をかけている一因です。とはいえ、これほどの歴史的建築物を一掃してしまうのはいかがなものかという声も高まっており、外観を保存したまま内部を近代的に改装し、四合院を宿泊施設として蘇らせようとする計画も進んでいます。
数々の壮大な建築物だけでなく、昔ながらの中国の姿をかいま見ることのできる胡同は、北京への旅人が必ず足を運ぶ場所。その風情あふれる四合院を、今のうちにじっくり見学しておきませんか?今しかできない体験が、そこにはきっとあるはずです。
5月的推薦 : 香港から、ちょっと寄り道中国
華南エリアのショートトリップがおすすめ
主権返還後も人気が衰えず、ますますパワーアップする街、香港。

香港は、華南エリアへのゲートウエイとしても重要な役割を果たしています。香港では中国のマルチビザが比較的スムーズに取れるという利点がありますが、短い日程なら日帰りを含めた華南エリアのショートトリップがおすすめ。各エリアの見どころを紹介します。



深センでテーマパーク三昧!

深センは陸路で香港から行ける最も近い「本土」の都市です。列車やバス(24時間運行あり)で約1時間、市内交通網の整備もよく効率的に動けます。見どころは地下鉄1号線郊外に点在する各種テーマパーク。中でもミニチャイナと呼ばれる「錦繍中華」と「世界の窓」、これを押さえておけば無問題。
深センでテーマパーク三昧!
錦繍中華では中国各地の観光地のミニチュアや民族文化の紹介が、世界の窓では世界各地の景勝地のミニチュアが一堂に集結。中国どころか世界各地へ「行ったつもり」になれる大変お得なテーマパークなのです。テーマパーク間は歓楽幹線というおもちゃのようなモノレールでも周遊できます。



廣州で本場の飲茶を堪能する
廣州で本場の飲茶を堪能する

香港から直通列車で2時間弱の廣州は、見どころが広範囲に散らばっています。そこは次にじっくり見学するとして、今回は本場の飲茶に注目。飲食店では終日飲茶が用意されているので、香り高いお茶とともにぜひ食べ歩きを。「食は廣州にあり」と言われるだけあって、点心は素朴かつ滋味あふれる味わい。
名物の「焼乳猪」(豚の丸焼き)や「蛋黄蓮蓉包」(ハスの実の餡入り蒸し饅頭)はお試しマストアイテムです。なお、廣州で世界交易会が開催される4月と10月は、周辺エリアも含めて全くホテルが取れない超混雑期。料金も高騰するので避けた方が賢明です。



「中国のリビエラ」珠海は温泉天国

中国でも最も美しい海浜都市のひとつ、珠海は「中国のリビエラ」とも呼ばれる温暖で環境のよい場所。香港からはフェリーで約1時間です。近年急激に観光客が増加しているのは、海泉湾で温泉が見つかったため。市内から西へバスで約1時間のところには、その名もずばり「御温泉」というリゾートが誕生しました。イメージは気合いでコピーした日本風・・・。
「中国のリビエラ」珠海は温泉天国
しかし本格的な露天風呂もあり、のんびりくつろぐには申し分なし。できたら1泊してゆっくり温泉情緒を満喫したいですね。 香港とはまた異なった「中国」の雰囲気が楽しめる華南エリアへのショートトリップ。これだけじゃ物足りない! と感じたなら、次は中国オンリーの旅を。その奥深さ、広大さで、きっとあなたも中国のとりこに・・・?
4月的推薦 : 北京から足を伸ばしてみよう! 〜天津編〜
北京から気軽に足を伸ばせる街、天津。

みなさん、「天津」と言われたら、何を思い浮かべますか?天津丼?天津麺?残念ながら、いずれも天津には存在しないものなのです。実は、あの有名な「天津甘栗」も日本だけの名称なんですよ!天津は北京から列車で約1時間半。バスも走っているので、気軽に足を伸ばせる町です。しかし、あまりにも便利なせいか、東京から天津への直行便はいまだにありません。



古文化街で、世界にひとつの記念品を。

天津は北京、上海、重慶と並ぶ中央直轄市。かつて列強の租界が町の中心を占めていたため、昔の西洋建築が今でも点在していますが、現在、郊外の開発区は商工業都市として発展しており、外資系の工場が建ち並んでいます。中には日本自動車メーカーNo.1のトヨタも。天津が初めてという人におすすめなのが、古風なショッピング街「古文化街」。清朝末期の町並みを復元したここには、骨董品や衣料品、書画などが集まっています。イチ押しは印鑑。昔の中国文字でなんだかよくわかりませんが、それが楽しい。自分の名前を彫ってもらえば、世界にひとつの記念品になりますね。



「狗不理包子」って何?

次に、天津で本当に有名な食べ物をひとつご紹介しましょう!それは天津三大名物のひとつ「狗不理包子」。「包子」というのは日本でいう饅頭なのですが、日本の饅頭ほど大きくありません。中身は肉、野菜、海鮮など、いろいろな種類があります。名前だけを見るとマズそう・・・なんて思ったりしていませんか?なにせ「狗不理包子」は文字通りには「犬も見向きしない」という意味なのです。しかし、これは全く正反対。

百五十年ほどの歴史をもつ「狗不理包子」の名前の由来は、創業者・高貴友の幼名にちなんでいます。彼は父親が40歳の時の子であったため、その平穏無事な成長と子犬のように育ちやすいことを願って「狗子」と名づけられました。その後、「狗子」は包子を作る技術を学んで、自分でお店を開きました。彼が作った包子はおいしく評判が良いので、店は大繁盛。だから「狗子」は包子作りで大変忙しく、誰に話しかけられても相手にしなかったのです。そこで客は「狗子は包子作り以外のことに一切構わない(不理)」と噂しました。これが「狗不理」の由来なのです。

かつての有名人、毛沢東、?ケ小平も天津に来た際、「狗不理包子」を食べたといわれています。今でも、「天津に来て、狗不理包子を食べなかったら、天津にきたことにならない」とも言われているほどです。皆さん、もし天津にいらっしゃるなら、ぜひ一度食べてみてくださいね!
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