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楽園の旅人



Vol.5 台風と友だち

なんて、イヤですよねぇ?!?、、、(笑)
今年は5年ぶりのエルニーニョ現象の影響で、台風が発生する確率が高いのだとか?! 今年(2002年)の7月、日本に被害をもたらした台風6号と7号は、皆さんの記憶にも新しいと思います。これらの台風ですが、ミクロネシアの南東側のカロリン諸島(ポンペイあたり?)で発生しました(台風にはそれぞれ、Chata'anとHalongという名前が付けられました)。特に台風6号(Chata'an)に関しては被った被害も大きく、チューク(旧名トラック諸島)では1000名以上の死傷者を出し(そのうち死亡者は数十名)、1000戸以上の家屋が損壊しました。
楽園TIP「エルニーニョとは?」
エルニーニョとは、熱帯太平洋の中部から東部、そしてペルー沖にかけての海面水温が、数年に一度、大規模に上昇する現象をいいます。エルニーニョという名前は、毎年クリスマスシーズンになると海面水温が高くなる現象を、ペルーの漁師たちがスペイン語で「エルニーニョ(イエスキリスト=神の子)」と呼んでいたのが、その語源だそうです。
その後、観測が進むにつれて、毎年起こる局地的な小規模のものだけでなく、太平洋全域に渡り半年以上続く大規模な気候変動現象として、認識されるようになりました。東太平洋(ペルー沖)で発生するエルニーニョの影響は、遠く離れた西太平洋(日本の南方)ではいつもはっきりと現れるとは限りませんが、夏は長梅雨、冷夏、冬なら暖冬になりやすい傾向があります。

楽園TIP「カロリン諸島」
コズラエ(面積: 107平方キロメートル)、ポンペイ(面積:334平方キロメートル)などの火山島のほか、900あまりの無人サンゴ島や環礁で構成されています。ヤップ(面積:101平方キロメートル)は陸島です。気候は海洋性熱帯気候で、年間を通じて気温の変化が少なく、平均気温は摂氏26度前後です。降水量が多く、サンゴ島でも年平均降水量は3000mmを超え、西部ではよく台風が発生します。

陸島や火山島には、ヤム、マンゴー、グアヴァ、タヴァ、ポリネシアンプラム、柑橘類などの果樹、バナナ、タロなどの主食作物、そして、パパイヤ、ヤウテア、キャッサバ、ブレッドフルーツなど、比較的丈夫な作物が育ちます。、また、ポリネシアンアロールート、タイヘイヨウイヌビワといった、飢饉の時に利用される植物や、ココナッツヤシや、パンダナスなど、多くの植物が見られます。
生物にとって、生きていくために最も重要な物のひとつが水ですよね。フェニックス諸島のカントン島の年間降水量はわずか500mmほどと少ないため、14種類の植物しか生育していません。これに対し、マーシャル諸島のアルノ環礁は、同じサンゴの島であるにもかかわらず年間雨量も4000mmと水が豊富なため、125種類の植物が繁茂しています。カロリン諸島はサンゴ島でも雨に恵まれているので、この点では生活しやすいといえるでしょう。

2002年7月3日
ポンペイ付近で発生した熱帯低気圧が台風Chata'anとして北西に移動しながらグアムに接近しているころ、私はグアムにあるコンドミニアムで、衛星気象図や進行ルートをインターネット上で見ていました。1997年12月にグアムを通過したギネス記録モノの超大型台風PAKAを経験している島民たちは、「なぁに、PAKAに比べたら小さい小さい」と、あまり気にしていない様子でした。
この日は夜からタモンというホテルエリアで、ストリートカーニバルが開催されました。開催中は多少雨が降ったものの、たくさんのローカル客とツーリストたちで大いに盛り上がりました。

7月4日
アメリカ合衆国の独立記念日です。グアムは日付変更線の関係で「一番最初に日が昇るアメリカ」と呼ばれています(グアムで、ですが、、、でも映画の封切りも全米で一番早いはずです)。本土と共にテロ対策は十分で、打ち上げ花火などのイベントが開催される予定で準備が進められていました。昨日まではいつも通りだったのに、この日は風が強く、夜の花火も来週以降に延期されることになってしまいました。
現地時間で23:00頃、台風Chata'anはグアムの東190マイルくらいの場所を、時速14マイルで移動していました。

7月5日
日付が変わるあたりから、少しずつ風が強くなってきました。時間が経つにつれ、それに比例するかのように風速が速くなり、反比例するかのように気圧が低くなっています。早朝出発の飛行機は全便欠航となりました。
昨日までは、グアムの北部沖約60マイルを09:00頃通過するだろうと言われていましたが、実際にはグアム北部にあるジーゴ(YIGO)という町を07:30頃通過しました。窓の外は曇天時の雪景色の様に真っ白で、建物ごとガスステーションにある洗車機にかけているような感じです。雨の降る量と気圧の関係で、アルミサッシのほんのわずかな隙間から、雨水がブクブク泡を立てながら入ってきます。
07:45頃、グアムは台風の目の中に入りました。とたんに雨風がぴたりと止み、さっきまでの強風がウソのようです。コンドミニアムの住人さんたちは、パーキングに停めてある自分のクルマを確認に行きます。
08:15頃、再び風が吹き始めました。空が徐々に暗くなり始め、風向きが逆になり、外はあっという間に真っ白に、、、
午後になると、「台風はどこへやら?!?」という雰囲気で、ちょっと見た目にはどこがどう被害に遭ったのかも分からない状態でした。

停電は台風がグアムを通過する前から、断水は台風が通過してしばらく(2日くらい)してから起こりました。病院や、ツーリストが利用するホテル、そして一般家屋の順番で、優先的に復旧作業が行われるそうです。

7月9日
台風7号(Halong)が近づいているというので、ガラスにガムテープを貼り、アルミサッシの隙間の部分を塞ぎました。

7月10日
18:00頃、台風は、グアムの南、約95マイル沖を通過しました。幸いグアムには被害は及びませんでした。

私が居るコンドミニアムは、なぜか電気、水道ともに復旧のメドがたたず、復旧が完了したホテルに2泊ほどしました。今年完成したばかりのその新しいホテルは全室オーシャンビューで、バスルームからも海を望むことができます。冷房も効きお湯も出るので、快適そのものです。チェックアウトの日、未だに断水状態の自分の部屋に戻るのは少々憂鬱でしたが、次の日には電気が戻り、給水制限があるのもの、水もほとんど支障なく利用できるようになりました。

台風の時のホテルで備えておくこと
欲を出すとキリがないので(笑)、ツーリストが最低限やっておきたいことを挙げてみます。

・ バスタブに水を溜めておく
・ 懐中電灯(電池の確認を忘れずに)
・ ロウソク(大きめのもの)
・ マッチ(またはライター)
・ あと、電池で作動する携帯用ラジオをできれば確保


ホテルに宿泊していて自分でできることといったら、こんなところでしょうか。食べるものを確保するのは言うまでもありませんが、台風が過ぎ去ってしまえば直ちに復旧作業に取りかかりますので、ホテル内をはじめショッピングプレイス内のレストランやフードコートで済ませてしまうのも、ゴミを最小限で済ませるためには有効だと思います。
パッケージツアーで滞在中の方は、現地のエージェント(旅行会社)さんの話をよく聞きましょう。個人旅行の方は、飛行機の運行状況を確認し、ホテルに延泊する場合は値段の交渉をしてみてください。

気持ちの持ち方
グアムでふたつの台風を迎え、停電と断水が続き、電気の使い方、水の有効的な利用の仕方をあらためて考えさせられました。日中はただでさえ暑いのに、エアコンが効かずに風が無かったりすると、集中力も散漫になってしまい、仕事どころではなくなってしまいます。電気が無ければお湯も沸かせませんので、水風呂です。それも水があればの話ですが、無ければシャワーを浴びることすらできません。食器も洗えません。歯を磨いたり顔を洗うのも一苦労です。いくらそれを楽しもうと前向きに考えようとしていても、知らないうちにストレスがたまってきてしまいます。

人間は自然の前では無力なのです。
こういう時によく聞く言葉ですよね。確かにそうかもしれません。いや、きっとそうなのでしょう。自然(の恵み?!?)を受け入れ、それに逆らわず生活している人たちが、南の島の楽園にはたくさんいます。電気が無くてエアコンが効かなくても、電話が通じなくてインターネットに繋げることができなくても、水が出なくてトイレが流せなくても、それはそれで面白おかしく生活していける環境に身を置いていられる人々。どれかひとつでも欠けてしまうとニッチもサッチもいかなくなってしまう我々からすると、ある面、ちょっと羨ましくもあります。

その場所に対応した生活をしているからこそ、大きな台風が近づいてきても、慌てず動じず淡々と備え、飄々と通り過ぎるのを待ち、過ぎ去った後は無理無くいつもの生活に戻ることができるのかもしれませんね(スゴイなぁ、、、)。

滞ってしまっては困るのが大概の仕事ですが、場合によってはあまり困らない仕事があるのかもしれません。「備えあれば憂いなし」といいますが、楽園で仕事を選ぶ時には、自然に逆らわずに続けていけることを考慮しながらビジネスを考える必要があるのかもしれません。

「なるようにしかならない」と言い切れる人にも、二通りあります。「そうなる(ならない)ように努力した(あとの)結果は」という前提が付く人と、付かない人です。実はコレ、エライ違いなんです。
努力している人は、普段何気なく使う言葉にも気を遣います。何気なく使う言葉が口癖となり、口癖が習慣となり、習慣が性格を形成し、そして性格は人生を左右します。例えば、どうしても「悪い」と言わざるを得ないときは、「良くない」と言う方が、「良い」という言葉が入っているだけベターだと考えるのです。何事も積極的にプラス発想で考え、マイナスのことは極力言わないようにしています。そうすれば、楽園生活も必ず好転します。

人生だって、そうではないですか?
がまんがまん
ここはがまんだ
どんな長雨も
いつかやむ

雨が止まない「楽園」はありません。
自然の災害から「逃れる」ために備えるのではなく、自然の恵みとして「受け入れる」ために備えるとしたら、みなさんはどんな準備をしますか?
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