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特集


世界中のリゾート地ならず都市エリアのホテルまでが、こぞってスパ増設に乗り出している。一流ブランドのコスメやアメニティ、至れり尽くせりのサービス。ターゲットはもちろん女性。中にはカップル用の個室やメニューを謳う向きもあれど、やはり足を運びづらいという男性も多い。 その点、温泉はいい。タオル1枚で何時間でもくつろげる気楽さは、「もてなされ下手」の日本人男子にとって、何よりのサービスであろう。ドイツは名にし負う温泉大国。日本のクアハウスやテルメの手本にもなった本場の温泉で、じっくり自分を磨き上げたいものである。
ここぞドイツの誇る一大温泉保養地。フランクフルトから南へ約150km、シュヴァルツヴァルト(黒い森)に隣接したバーデン・バーデンは、ローマ帝国時代に源泉が発見された都市。19世紀初頭には温泉の療養効果が医学的に認められ、各国の王侯貴族や各界著名人がこぞって保養・療養効果に詰めかけるようになった。1877年にはルネサンス様式のフリードリヒ浴場が完成。古代ローマの浴場跡に建てられたここは「世界でもっとも美しい温泉のひとつ」といわれる。その象徴はドーム型のローマン・アイリッシュ浴場。高い天井や柱にはデコラティブな装飾が施され、見た目も荘厳。ややぬるめの湯がじっくりと体の疲れをいやしてくれる。
レーマー広場を挟んで、フリードリヒ浴場の向かいにはカラカラ・テルメがある。こちらは1985年にできた近代的な温泉センターだ。900平米を超える広大な敷地を有し、よりレジャー、スポーツ感覚で入れる温泉がそろっている。1階にあるプールやジェットバス、ジャクージなどは水着着用。 ところが2階のサウナ(男女混合)及び温泉(男女別浴)は裸にならなければいけない。ドイツの温泉は裸での利用が基本なので、ここは思い切って自慢の肉体をさらすべし。目の前に広がる光景は至福か修業か・・・あらゆる意味で涙目になりそうなひとときである。
カラカラ・テルメと同じく1985年にオープンしたのがクアハウス、いわゆる総合大浴場である。7種類の温泉プールや露天風呂、サウナやスチームバス、日焼けサロン、マッサージルームなどを備え、規模はヨーロッパ最大を誇る。温泉は22時まで利用できるのが魅力で、ライトアップされた景色を眺めながらの入浴は、他では味わえない優雅さ。このクアハウスはカジノをはじめ、レストランやコンサートホールを兼ね備えた、いわば上流階級の社交場。カジノはドイツ最大かつ最古とのことで、VIPの来訪も日常茶飯事。そのため入場にはフォーマルな服装がぜひとも必要。パスポートの携帯もお忘れなきよう。

バーデン・バーデンに湧き出している鉱泉は、筋肉や関節の血行をうながし、身体の疲労を和らげて、新陳代謝を活性化する効果があるのだとか。レオポルト広場近くにあるトリンクハレは、その霊験あらたかな飲泉にチャレンジできる絶好の場所。ゴクゴク飲めるほどうまいものではないが、やはり体にいいような気がするから不思議だ。トリンクハレは1840年前後に建てられた歴史ある建物。ギリシャの神殿のような荘厳な雰囲気で、壁を飾る見事なフラスコ画も必見である。
フランクフルトから約40分のところにあるヴィースバーデン(Wiesbaden)は、ヘッセン州の州都。古代ローマ帝国時代から温泉が出ることで知られ、バーデン・バーデンと並ぶ高級温泉 保養地でもある。ただし、ここにあるクアハウスは、コンサート会場、レストラン、カジノを中心とした多目的ホール。温泉はないのであしからず。
帝王の名を冠したカイザー・フリードリヒ温泉は、旧市街ローマ門の北にある。1913年完成というユーゲント様式の建物は、とても温泉とは思えない壮麗さだ。1999年に全面改装を行い、近代的設備を投入、また各種プログラムやメニューもいっそう充実した。男性専用日、女性専用日が設けられているのも面白い。そして入浴に際しては水着の着用不可という正統派のドイツ温泉なのである。珍しいのはヨーロッパ版垢すりができること。おなじみの韓国式と比べて、その快感やいかに。

ヴィースバーデンは小さな街で、主要観光スポットはほぼ徒歩で回ることができる。歩いていると気がつくのは、どこか懐かしい温泉のにおいがただよっていること。実際、あちこちに鉱泉が湧き出ており、いずれも飲泉可能の上質温泉水。ヴィルヘルム通りの近くにあるコッホブルンは、その中でも歴史・規模ともに突出したこの街のシンボルでもある。
フランクフルト国際空港から、車でわずか20分で行けるバート・ホンブルク。古くから温泉保養地としても有名である一方、モンテカルロ・カジノの生みの親が、その前にここにカジノを造ったことから「モンテカルロの母」とも称される街だ。
ここには2軒の歴史ある温泉保養施設がある。ひとつがヴィルヘルム皇帝浴場。温泉療養に積極的だった皇帝の名をいただく由緒正しい温泉である。門前にそびえ立つ皇帝像、ギリシャ様式をとりいれた建物は市庁舎のような風格。特に夕暮れどきのライトアップは夢のような美しさだ。ここの施設利用は最低4時間以上が条件になっているため、ゆっくりと時間のある時にトライすべし。値段もそれに見合った金額を覚悟してほしい。こうした厳しい条件が客人を選ぶせいか、ムードはどことなく上流階級風。ジェントルマンを気取って、そのエレガントな雰囲気を味わいたい。 もうひとつが1400平米の広さを有するタウヌス・テルメ。エントランスはなぜか中国庭園風。館内にもなぜか大仏や書の掛け軸が飾られている。アヤシイ。1階は水着で回れる浴場とプール。水の中に岩山や噴水が造られている。アヤシイ。東洋風のコンセプトを取り込んだ、エキゾティックなムード・・といえば聞こえがいいが、こみあげてくるのは笑いばかりなり。2階は裸が原則のサウナエリア。フランクフルトに近いせいもあり、まずここに連れてこられるパッケージツアーが多い。裸を強要されたアジア系やアメリカ系の客人の戸惑う姿がいとおしい。すでにドイツ式に慣れた諸氏は、自らの初体験を思い起こし、やさしいほほ笑みを送りたいものである。
バーデン・バーデンから気軽に行ける温泉地にはバートヴィルトバート(Bad Wildbad)がある。シュヴァルツヴァルトから東へ約20km、バーデン・バーデンに滞在しているならちょっとしたドライブ気分のロケーションだ。

ここにもいくつかの温泉保養施設があるが、近代的な設備とスポーツ指向が強いテルマルバートは、地元の人に特に人気。種類豊富な温泉があるが、中でも野外の景色が楽しめるガラス張りの大浴場が素晴らしい。マッサージやアクアフィットネスなどのメニューも充実している。のんびり湯につかるのもいいが、ここらでなまった体にカツを入れてみるのもいいだろう。周辺は自然に恵まれた静かな環境。温泉につかった後、ぶらりと散歩を楽しむのにうってつけだ。

パレ・テルマルは伝統的な温泉として知る人ぞ知る存在。150年前の建物や設備を利用しており、1階は浴場。パレの名にふさわしく、館内に多数ある浴室にはヴィーナスやダヴィデ像のレプリカが林立する豪華な内装。2階はサウナがメインで、こちらはややモダンなデザインに改装され、快適な空間になっている。いずれのエリアでも裸が原則。体だけでなく、たっぷりと目の保養にもいそしんでもらいたい。男性用のエステティック・メニューも充実している。まさにオトコを磨く温泉である。
ホフハイム(Hofheim)はフランクフルト国際空港の北西約10kmに位置する。多数のヴィニヤードが点在する中に、ファッハヴェルクハウスとよばれる古いスタイルの民家が建つ、愛らしい街である。 ライン・マイン・テルメ(Rhein-Main Therme)があるのは、街のやや外れ。施設は近代的で、各種温水プールや、サウナが楽しめる。爽快なのは屋外に広々と設けられたリラクゼーションスペース。彼方にフランクフルトの高層ビル群を見渡しながら、日光浴に励む人々多数。レストランもあるが、街中にはホイリゲのように、ワインを気軽に楽しめる店があるのも魅力的。トランジットが長時間に及ぶ時の、立ちより湯として重宝しそうだ。
■ドイツの動物園騒動−その1
動物園先進国としても有名なドイツには、変な騒動も盛りだくさん。ハンブルクのブレーマーハーフェン動物園では、絶滅の危機に瀕しているフンボルトペンギンが交尾をしているにも関わらず、なぜ繁殖しないのか調べたところ、全部オスと判明!

ゲイ疑惑を調査すべく乗り出しはいいが、今度は世界各国の同性愛団体から抗議の嵐が。それでもストレートに戻るよう「調教」を試みたが成功せず、同動物園は彼らの愛の生活を温かく見守ることにしたのだとか。
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