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ミスター:前回は今後ますますホテルの多極化、多様化、高品質少量化が続いていくというところまで話したんだよね。 マダム:わたくし、その中で出てきたブランドチェーンについてもう少しうかがいたいと思っておりましたの。 ミスター:ブランドチェーンホテルも、プラン(plan)からドゥ(do)に動き出したのはここ数年の傾向だよね。ヴェルサーチ、フェラガモ、ブルガリあたりはすでに有名だけど、これからアルマーニやモスキーノもホテル業界に進出してくる。 マダム:イタリアブランドばっかりですけど、その理由は? ミスター:うーん、なんだろう。インテリアとしてはラルフ・ローレンはじめファッションデザイナーが手がけているところもあるけれどね。やっぱりマンジャーレ、カンターレ、アモーレの国イタリアのデザイナーの方が、人生をどう楽しむかって永遠のテーマへの訴求力があるってことかな。だから衣・食・住のトータルプロデュースに優れているよね。ファブリック、カラースキームのバランスなんかバツグンだもの。
ミスター:でもね、考えてみれば日本人ほどいろいろなホテルのサービスを体験している人種もいないんだ。客室にプールが付いて、専属バトラーがいるバリのヴィラ。これって、いわば温泉旅館でしょ。プールの代わりに個室露天風呂があって、仲居さんがいるだけで。 マダム:「心付け」というチップの変形も渡しますわね! ミスター:日本が誇るミニマルサービスホテル、ビジネスホテルだって、ゲストハウスに居住性と機能性を付加したブティックホテルの走りみたいなものだよ。 マダム:あっ。思いついた。ほかにもありますわ・・・ラブホテル! ミスター:おお〜。アートホテルだ! マダム:客室ごとに違う内装、バスルームを重視した個性的なインテリア、至れり尽くせりのアメニティ、ゲストの邪魔をしないサービス。うーん、素晴らしい。 ミスター:マダム、詳しいね・・・。 マダム:あら〜、社会人としての一般常識ですわよっ。ほほほ。 ミスター:実際のところ多様化、高品質少量化に向かっている世界のホテルが、日本のラブホテルに非常に近い形態になっているのはまぎれもない事実だね。
マダム:ホント、丸いベッドが置いてあるとか、バスルームがガラス張りなんていうホテルに「うちってスタイリッシュでしょ」と自慢されると、わたくし内心で「・・・でも、ラブホテル・・・」なんて思ってしまいますもの。 ミスター:だよねえ。だから日本人は、意識しないうちに最新ホテルのインテリア・バリエーションは全て国内で体験済みなんだ。すごい国民性だよ。 マダム:ということは、利用するホテルによって自然とふるまいも変わっているってことでしょう?東京のペニンシュラにジーンズとTシャツで泊まりに行く人がいないのに、どうして海外だと平気でラフな格好で行ってしまうのかしら? ミスター:日本人は「海外に行く」というのが旅の主題だからかな。ホテルはまだまだ「寝る場所」としての認知しか受けていないんじゃないかな。だからガイドブックにあるような「安全」で「動きやすい」ファッションになっちゃうんだろうし、ホテルでどうふるまうかまでは考えていないのかもね。 マダム:その認識が改まれば!安宿に泊まるときに貴重品の管理に心を砕くように、高級ホテルに泊まるときはホテルの格に合わせられるよう心を砕いてほしいものですわね〜。
ミスター:前にも言ったけれど、旅とは異文化に飛び込むこと。ホテルはその舞台になる大切な場所なんだ。どこでもいいや、じゃなくてぜひ積極的にホテル選びをして、そこがプレゼンテーションしてくれる空間をとことん楽しんで欲しいな。 マダム:これからも、あっと驚くようなホテルがどんどん登場してきそうですものね。うかうかしていられませんわ! ミスター:私も行きたい場所、泊まってみたいホテルがたくさんあるんだ。この間行ったローマでも・・・。 マダム:ストップ!それはこれからの「おいしい話」でじっくりご紹介なさって! ミスター:はいはい。結局最後はマダムに仕切られるのか〜。 マダム&ミスター:それでは、みなさま、来年もよい旅を!Ciao!
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