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> 建築様式学入門 > Vol.12 ポストモダンスタイルのホテル
Vol.12 ポストモダンスタイル
(2/2)
ポストモダンスタイルのホテル
モダン様式が世界中に広まって、時の経過と共に、それぞれにある種閉塞感が漂って、次なる様式を模索するのは歴史的な必然でありました。世界中の街にモダン建築が溢れ、街の景色が国籍不明になったくらいですから、このポストモダン建築も、世界中に存在します。
とりわけ新しく作られるホテル建築に、新時代の装飾が歓迎されたこともあって、文字通り枚挙にいとまがないほどたくさんのホテル建築にこの様式が採用されています。以下のご紹介は、さながら「ポストモダンホテル建築で巡る世界の旅」の様相をおびています。それでは実例をご覧下さい。
YMCAインターナショナルハウス(香港)
香港、九龍半島、油麻地(ヤウマテイ)にある2ッ星ホテルです。室数429。低層部と高くそびえる高層棟で構成される「墓石スタイル」で、モダン様式でも見かけられるシルエットですが、高層棟の壁面の色の切り替えがポストモダンエイジのものです。
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グラン・メリア・ジャカルタ(ジャカルタ/インドネシア)
巨大なアトリウム(室内の大空間)が売り。ジャカルタを代表する5ッ星ホテルの一つです。 各国の大使館が多いクニガン地区にある室数428の大型ホテル。他のどこにも見られない独特の外観が印象的です。
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バイヨーク・スカイ・ホテル
(バンコク/タイ)
タイでは最も高層の84階建て地上309mの4ッ星ホテル。客室総数は430。大きな街のどこからも眺められ、バンコクのランドマークとなっています。
外観は円柱と直方体と三角錐の組み合わせ、茶系とブルーグリーンのアクセントカラーの配色というあたりもまさにポストモダンです。
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バニヤン・トゥリー
(バンコク/タイ)
土地土地勘のない街でおまけに太陽が出ていないと方向が分からないのですが、そんなときに超高層の建物があると、方角が分かって助かることがあります。このホテルも図抜けた高層で良く目立ちます。
歴史的要素のコラージュはありませんが、離れて見上げると細かな部分で装飾が施され、現代建築の単調さを脱しているのがよくわかります。
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レジェンド(クアラルンプール/マレーシア)
市中心の国際会議場に近く、ショッピングセンターに隣接する大型のホテルです。
茶色のタイル張りの壁面が四方向から徐々に階段状にセットバックする不思議な外観で、階段状の造形の一部はダークトーンのガラス張りという複雑さ。豊穣な表現はポストモダンの特徴のひとつです。
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イビス・ダーリングハーバー(シドニー/オーストラリア)
シドニーのウオーターフロントに建つ三ツ星の中規模ホテルです。このホテルチェーンは、一般に地味な建物が多い中で、ここは例外的に外壁の彩色の切り替え、外観の自由な曲線と思う存分遊びの要素を盛り込んでいます。
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トラべロッジ・バンクーバー・エアポート
(バンクーバー/カナダ)
国際空港から5kmの位置にある三ツ星159室の中規模のカジュアルなホテルです。勾配屋根が乗っていること、コントラストの強い独特の色づかい、外観の色分けにポストモダンの一つの典型的特色を見ることができます。
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ウオルト・ディズニー・ワールド・ドルフィン
(オーランド/アメリカ)
赤茶色と緑青色、ポップでキッチュ、円形、三角形の生の形での組合せ・・・これぞポストモダンというスタイルを全部持っています。それもそのはず、ポートランド市庁舎に巨大リボンをつけたマイケル・グレイブスの設計です。
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サンフランシスコ・マリオット
(サンフランシスコ/アメリカ)
サンフランシスコのダウンタウン、地下鉄「バウエル」から徒歩3分の好立地。大きさの異なる羊羹を束ねたような超高層建築で、裾野部分を階段状に広げ、頂部にガラスのカーテンウオールのキャップを戴き、それがアクセントとなっています。室数1500の巨大な4ッ星ホテルです。
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ドン・ジョバンニ
(プラハ/チェコ)
プラハの街を愛したモーツァルトにちなんで、彼のオペラの傑作「ドン・ジョバンニ」をイメージしてつくられたと言われています。
踊るようにうねる外壁の自由な曲面・・・何ものにもとらわれることのない、奔放なモーツァルトの曲のように、他のどこにもないユニークな外観となっています。
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ソラート・シュプレー・ボーゲン・ベルリン
(ベルリン/ドイツ)
外観の赤茶色+緑青色の組み合わせ=ポストモダンと言う典型的図式が成り立ちます。シュプレー河畔に建つ室数220の3ツ星ホテルです。
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シュタインベルガー・フランクフルト・ランゲン
(フランクフルト/ドイツ)
キチッと生真面目なのがモダンだとすると、ポストモダンは遊び心に溢れたデザインが多くなっています。このホテルも、外観で、思いのままに楽しげなフォルムを構成しています。
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構成・制作監修:栗田 仁(くりた じん)
建築家・東海大学講師。学生時代のヨーロッパ一人旅5週間以来、旅にはまる。
世界の終着駅建築、庭園、公共交通機関(とりわけ新世代高性能路面電車LRT)に格別の興味をもっている。
著書は世界35の街を描いたエッセイ『街はいつでも上機嫌』(静岡新聞社)ほか。
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