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私が見たアメリカのホテル
アメリカの一流ホテルで日本人マネージャーとして10年間勤務した著者が、日々の仕事の中でふと目にしたシーンから、日米の文化的な違い、考え方の背景にあるものなどをつづります。  著者紹介はこちら>>
第5回
アメリカのホテルの環境保護対策

「シャンプーも石鹸も新しいものに変えられていなかった!」
昨今、そんな苦情があがるようになってきた。
「やめてください」と言いたくなる。

それは、ホテルが交換を忘れたのではなくて、環境保護対策の一環だ。「京都議定書」に背を向けたアメリカだが、州単位では、二酸化酸素削減システムの構築に成功した企業に助成金を出している。企業は真剣になって、二酸化炭素削減に取り組んでいる。

ホテルも然り。まずはクリーニングの量を減らすために、「洗う必要のあるタオルだけ、バスタブの中に入れておいてください。環境保護にご協力をお願いいたします。」という案内を出すようになった。ここにきて、シャンプーと石鹸もある程度、量が減るまで交換しないホテルが増えてきた。
ホテルはゲストの協力を要請することは後回しにしてきた。だから、実は、目に見えない部分でのエコロジー対策はもっと進んでいる。

アメリカは、「二酸化炭素削減政策は産業の動きを鈍らすことになり、経済の足を引っ張る。」という理由で、「京都議定書」に背を向けた。世界各国から非難を浴びることを承知で国益を優先させたのだ。
一方、日本は「京都議定書」を批准した。世界環境を守るための強調に背を向けることなどできるわけがない。議決されたのも京都だ。しかし、実際には、決められただけの二酸化炭素を削減できないどころか、排出量を増やしつづけている状況にある。そして、お金を払うことで処理をしている。

こうした現状の下だから、とくに、日本国民はアメリカのホテルが行う二酸化炭素削減対策に苦情をあげないようにしなければならない。
「無知は罪なり」と言われないように、今、皆で声を大にして、ことの重大性を国全体に訴えなければならないときがきている。

バックナンバー
第1回 アメリカの一流ホテルのホスピタリティー
第2回 チップの誤った常識
第3回 ホテルの選び方
第4回 アメリカのホテルのセキュリテイー設備
第5回 アメリカのホテルの環境保護対策
第6回 歴史に根をもつ日米のサービス形態の違い
第7回 オーバーブックへの理解
第8回 ホテルはコーポレート・イメージの象徴
第9回 大雑把なアメリカのホテル運営
第10回 素晴らしきアメリカのホテルのノウハウ
第11回 セクハラ意識の薄い日本のホテル
著者:奥谷 啓介
1960年東京都生まれ。ウエステインスタンフォード&プラザシンガポール、ハイアットリージェンシーサイパン等勤務の後、1994年よりニューヨークのプラザホテルに就職。2005年プラザホテルの閉館に伴い退職。現在はニューヨークにてホテルコンサルタントとして活躍中。

【HP】奥谷 啓介オフィシャルサイトはこちら http://www.okutanikeisuke.com/
「世界最高のホテル プラザでの10年間」
ニューヨークの最高級ホテル「ザ・プラザ」に10年間勤務した日本人マネージャーが書いた、「フロントデスクの内側から見た日米比較文化論」。日米文化の差により生じる、日本人がアメリカで陥りやすいトラブル、恥ずかしい行いなどの例を挙げ、「なぜそれが起きるのか」「防ぐにはどうしたらよいか」をプロの立場から辛口のアドバイス。快適な海外旅行を楽しむための必読本です。
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