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私が見たアメリカのホテル
アメリカの一流ホテルで日本人マネージャーとして10年間勤務した著者が、日々の仕事の中でふと目にしたシーンから、日米の文化的な違い、考え方の背景にあるものなどをつづります。  著者紹介はこちら>> 
第15回 人種差別はどこにある NEW!
第14回 法律の国と常識の国
第13回 労働組合の力
第12回 レベニューマネージャーの力
第11回 セクハラ意識の薄い日本のホテル
第10回 素晴らしきアメリカのホテルのノウハウ
第9回 大雑把なアメリカのホテル運営
第8回 ホテルはコーポレート・イメージの象徴
第7回 オーバーブックへの理解
第6回 歴史に根をもつ日米のサービス形態の違い
第5回 アメリカのホテルの環境保護対策
第4回 アメリカのホテルのセキュリテイー設備
第3回 ホテルの選び方
第2回 チップの誤った常識
第1回 アメリカの一流ホテルのホスピタリティー
第15回
人種差別はどこにある

ついに黒人初の大統領が誕生した。私はアメリカ合衆国全ての人々におめでとうを言いたい。ホテルで働いているときによく言われたことがある。「人種差別の国で働くのは大変でしょう。」だが、私はとんでもない誤解だと思っていた。10年間のプラザホテルでの勤務を通して、私は人種差別など感じたことがなかったからだ。

リンカーン大統領が奴隷解放宣言をしたのが1862年。ケネデイー大統領が人種差別を法的に取り払う法案を成立させたのが1962年。キング牧師が「I have a dream」の演説をしたのが、1963年。残念ながら、三人とも暗殺されてしまった。
長きに渡り、アメリカの偉大な指導者たちは人種差別撤廃に命をかけてきたのだ。私がニューヨークで生活を始めたのが1994年。その頃には、とうに差別を徹底的に法律が禁じる体制ができあがっていた。人々のモラルは、人種差別をする人は「人間失格」という三行半を下すようになっていた。職場で人種差別の悩みをもつはずがない。
年齢、性別、人種を問わずに誰もが実力で道を切り開ける世界。それがアメリカ合衆国でなければならない。皆がそれを理想に掲げ、それを理想とできない人々は、むしろ、アメリカ合衆国から去ったほうがいいくらいの風潮がある。今回のオバマ氏の勝利はそれの証だ。まだ誤解を持っている人がいたら、認識を改めて欲しいと思う。

アメリカのホテルでなにかしら不満をもつことが起きたら、「どうせ日本人だからばかにされているのだろう。」と思うのは被害妄想。本当の理由はそんなところにはない。ほとんどの理由は、アメリカの常識というものを知らずに振舞う日本人の身勝手さが引き起こしていることだと思って欲しい。
アメリカに行くときには、アメリカの常識を知ってから行くこと。この当たり前のことがなされていないがために、自分で不満をつくりだしていることがほとんどなのだ。あなたはベルマンに払うチップの相場を知っているだろうか?レストランに入って、まずしなければならないことを知っているだろうか?もしこれらがすぐに分からないようであれば、是非、アメリカに行く前に、アメリカの常識を勉強して欲しい。

著者:奥谷 啓介
1960年東京都生まれ。ウエステインスタンフォード&プラザシンガポール、ハイアットリージェンシーサイパン等勤務の後、1994年よりニューヨークのプラザホテルに就職。2005年プラザホテルの閉館に伴い退職。現在はニューヨークにてホテルコンサルタントとして活躍中。

【HP】奥谷 啓介オフィシャルサイトはこちら http://www.okutanikeisuke.com/
「世界最高のホテル プラザでの10年間」
ニューヨークの最高級ホテル「ザ・プラザ」に10年間勤務した日本人マネージャーが書いた、「フロントデスクの内側から見た日米比較文化論」。日米文化の差により生じる、日本人がアメリカで陥りやすいトラブル、恥ずかしい行いなどの例を挙げ、「なぜそれが起きるのか」「防ぐにはどうしたらよいか」をプロの立場から辛口のアドバイス。快適な海外旅行を楽しむための必読本です。
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