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台北周辺のおすすめスポット 2007/6/14-6/20 ひつじ1号


陽明山温泉の入口。この道を下ったところに入浴施設が点在している


源泉から各施設へ温泉を引くためのパイプ。あたりには硫黄の匂いがたちこめている


タイヤル族の料理。手前がビンロウの花の和え物。横は竹筒飯。


清流・南勢渓をはさんで広がる烏来温泉。対岸中央部に公共の露天風呂がある


烏来温泉一の見どころ・白糸の滝は台湾最大級の滝だそう


烏来の川原。掘るとお湯が湧き出る場所は特に賑わっていた


新店の碧譚(注:実際はサンズイ)。カフェ側から撮った景色


ドラゴンボートレースの後、あるチームが記念撮影をしていた


鶯歌のメインストリート。車が来ないのでのんびり歩ける


酸菜白肉火鍋の名店・長白小館にて
台北 > 台湾 投稿日:2008/2/15
2004年に初めて訪れて以来、台湾は私にとって最も好ましい海外の旅先である。人々と風土はあくまでも穏やかで、「さあ外国だ」と身構える必要はほとんどない。どこへ行ってもしたたるような緑を目にすることも、コンクリートジャングル・東京に住む私にとっては魅力のひとつである。台湾で一番多く訪ねた先はやはり台北で、2007年6月で5度目になる。仕事を含めてとはいえ、さすがにこの回数ともなると市内の見どころはだいたい制覇したし、日本人にも人気の高い九フン(注:漢字はイへんに分と書く)へも行ったことがある。そこで今回は、所用の合い間の自由時間に、台北近郊でまだ行ったことがない場所を訪ねてみることにした。

台湾には温泉が多く、これも訪台した時の楽しみの一つである。台北周辺の温泉では、新北投へ行ったことがあるので、今回はそこから山ひとつ分北寄りの陽明山温泉へ行ってみることにした。市街からバスでおよそ30分、住所はまだ台北市内だが、あたりの景色の半分は山である。バスを降りたとたん硫黄臭が鼻をつき、温泉地に来たことを実感させてくれる。緑豊かな山腹にいくつもの温泉施設が点在しており、その多くが和風建築を意識した造りのせいか、どこか日本の温泉地にいるような錯覚も抱いてしまう。宿は探せばあるはずだが、市街からあまりに近いせいか、日帰り入浴+食事施設が中心のようだ。

今回はネットで調べて評判の良さそうな「川湯」という施設を選んだ。簡単な脱衣所を抜けると、石造りの広い湯船に白い湯を満たした半露天風呂がある。台湾の温泉は水着着用が中心で、裸で入れるのは貸切り用の小さな浴室が多い中、この温泉地には裸で入る大浴場(もちろん男女別)が揃っているうえ、川湯はその中でも料金が安めなので決めた。平日午後のため、お客は台湾人のシニア層がほとんど。おばあさま方のおしゃべりをBGM?に、ゆったりと湯船に浸かる。お湯自体はさほど硫黄臭くなく、とろりとして肌になじむ。屋根と塀の向こう側には青空と緑の山々が見え、時折鳥のさえずりも聞こえて気持ちが良い。東京から30分でこんなところへ行けるなら、絶対毎週通うのだが。

「まだ行ったことのない所を」と台湾人の友人にリクエストしておいたので、友人は台北市の南にある烏来(ウーライ)という温泉地に案内してくれた。タイヤル族の集落地としても有名で、温泉街にはタイヤル族の伝統料理の店が軒を並べている。友人お勧めの一軒に入ると、料理はどれも見た目は素朴ながら美味揃いだった。竹にもち米を詰めて蒸したご飯、竹の子と肉の炒め物、どぶろくに似た現地の濁り酒などいろいろ堪能したが、中でも私が一番気に入った品は、ビンロウの花の和え物。あのビンロウの花は意外にもあっさりしており、唐辛子と香草をほのかに利かせた味付けによく合っていた。地元の素材をふんだんに使い、素材の特徴を生かした繊細な味わいに仕上げるという意味では、中華料理よりはるかに和食に似通っているように感じられた。

烏来の中央を流れる南勢渓という川は大変きれいだが、流れが速いようで、泳いでいる人はほとんどいなかった。でも川辺に掘った天然の露天風呂につかったり、水遊びをする人々で川原は賑わっていた。滝あり、清流あり、うっそうとした山ありのここが、台北中心部からたった1時間なのだ。都内からこの環境を目指すとすれば、片道3時間以上はかかるだろう。せっかくの温泉だが、友人は入りたくないというので(台湾人は他人と裸で入浴することに抵抗があるそう)、台北へ戻る。案内してもらった手前、温泉はまたの機会にするとした。

烏来から台北へ戻るには、新店という駅までバスで行き、そこから市街まではMRT(地下鉄)で1本だ。烏来〜新店間の半分は山あいだが、木立の間に時折しゃれた大きな建物が建っている。ホテルにしては少々地味だし何かと思ったら、すべてお金持ちの豪邸だそうだ。香港もそうだが、金持ちほどゴミゴミした市街地を避け、静かな郊外に住む傾向があるらしい。台北や香港は郊外と都心の距離が短いせいが大きいと思うが、もし住まいを選べるなら(都内の高級住宅地より、私もこういう山の中がいいな)と所有不動産もない貧乏人は勝手に思うのだった。

新店駅周辺は、昔からあるらしい庶民的な商店街と、近年できたらしいマンション群が混在している。商店街と駅をはさんで反対側には、わりと大きな川が流れていた。水は市街地の川としてはかなりきれいで、水面の色からその名も碧譚(注:2つめの字はごんべんではなく、サンズイにしてください)という。川の対岸は崖のようになっていて、その途中に設けられた飛び込み台から飛び込みの練習をする人たちもいた。そして川岸のこちら側一帯はオープンエアの大型カフェになっている。私はそこでフルーツティーを頼んだ。といってもフレーバーティーではなく、ティーポットに生の果物がゴロゴロ入った甘めの紅茶である。日本の喫茶店では滅多に見ないが、果物が豊富な台湾ではさして珍しいものではない。私は台湾に来るとこれをよく飲む。それを口にしながら友人とおしゃべりを楽しみ、そして目の前に広がる風景を眺めた。

川べりで犬の散歩をする夫婦、川では何人もがのんびりと泳ぎ、その傍らでは親子連れがペダルボートに乗っている。これが台北の中心部から電車に乗って30分足らずの光景なのだ。仕事帰りにこんな場所でお茶できたら、東京人のストレスももう少し減るだろう。烏来も含めて「自然がこんなに近くにあって、本当に羨ましい」と言うと、台湾人の友人は“台湾は小さいから”と答えた後、「東京の方が絶対良いよ、遊び場所も店もずっとたくさんある」と反論した。生まれも育ちの東京の私でさえ、最近は都会暮らしに息が詰まり始めている。さりとて田舎暮らしは難しい。そんな私にとって、市街地と自然が隣り合った台北は理想的な都市と思える。今回は行かなかったが、淡水河の河口に開けた淡水――“台湾のベニス(この表現は大げさではあるが)”と呼ばれる私が大好きな水辺の町も、市街地から30分で着いてしまう。

一時間以内の通勤時間で、台北なら自然豊かなエリアに住むことができ、しかも日中は東京と同じようなオフィス街で仕事できるのだ。しかし友人に私の考えをいくら説明しても、ピンと来ない様子であった。全く『隣の芝生』とはよく言ったものだ。翌日は別の友人が鶯歌へ連れていってくれた。台北南西部にある陶磁器の町だという。陶磁器には興味がなかったが、実際にはアクセサリーや置物類の店も結構多く、どれもセンスの良さに感心した。品物のデザイン、店内のディスプレイが素敵で、何軒かで写真を撮ろうとしたが、デザイン盗難の恐れでもあるのか、軒並み断られてしまったのが残念である。食器類には全く関心のない私でさえ、何点か買おうかと思う品があったほど、台湾の陶磁器レベルは高い。

台北市内に戻って、旧暦の端午節も近いので、ドラゴンボートレースを観覧することにした。市内を東西に流れる基隆河では、小雨の中レースが行われ、観衆が盛んに声援を送っていた。端午の節句といえば、日本では鯉のぼりだが、中華圏ではドラゴンボートレースが定番行事らしい。台湾で食べられる料理の中で、私が一番好きなものは酸菜白肉火鍋だ。白菜の古漬け、肉や魚介、春雨などをちょっとクセのあるタレで食べる鍋物で、友人たちは「これは台湾料理ではないよ(元々は中国東北部の料理)、台湾料理で好きなものはないの?」とちょっと不服そう。でも私は台湾に来たら、必ずこれを食べることにしている。今回の台湾での最後の夕食もやはりこれ。大好きな羊肉をどっさり入れ、もうダメというほど食べた。

台北は確かに東京よりずっと小さい。しかしその周辺には魅力あるスポットがたくさんあり、それらを合わせると実は東京より奥が深いかもしれない、とこの街を訪ねるたびに思う。次回の台北行きの際には、台湾人の友人が推薦していた金山や木柵という場所に行ってみようと考えている。
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台北周辺のおすすめスポット

陽明山温泉の入口。この道を下ったところに入浴施設が点在している

源泉から各施設へ温泉を引くためのパイプ。あたりには硫黄の匂いがたちこめている

タイヤル族の料理。手前がビンロウの花の和え物。横は竹筒飯。

清流・南勢渓をはさんで広がる烏来温泉。対岸中央部に公共の露天風呂がある
 
烏来温泉一の見どころ・白糸の滝は台湾最大級の滝だそう
 
烏来の川原。掘るとお湯が湧き出る場所は特に賑わっていた

新店の碧譚(注:実際はサンズイ)。カフェ側から撮った景色
 
ドラゴンボートレースの後、あるチームが記念撮影をしていた
 
鶯歌のメインストリート。車が来ないのでのんびり歩ける

酸菜白肉火鍋の名店・長白小館にて
       
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