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幻影に惑わされてセンチメンタルウオーク 

マップで見ると簡単に歩けそうですが、実は意外と広く入り組んでいるプラハの旧市街エリア。うろうろ迷い歩くのもまた楽しいものですが、時間に制限があるなら地下鉄やトラムを上手に利用して、効率よく回りましょう。

スタートは旧市街広場から。ここには荘厳な聖ミクラーシュ教会、精緻な造りに驚かされる天文時計、ロココ様式のゴルツ・キンスキー宮殿、ゴシック様式のティーン聖母教会と、すでに見どころ満載。北側に足を伸ばすとユダヤ人街になり、あちこちにシナゴーグが建てられています。ここにあるカフカの胸像は、なぜか記念撮影の人気スポットらしく、各国観光客がベストポジションを順番待ちしているほど。みな、しかつめらしいポーズをとってしまうのは・・・カフカのせい?

しかし「王道」派が目指すのは、旧市街広場の西、もちろんプラハ城へと続く道です。1993年のチェコスロヴァキア解体後、民主化の一途をたどるチェコですが、街にはまだ共産主義下独特の雰囲気が漂っています。特に寒い季節や雨の日には、どこかメランコリックな気分が誘われそう。カフカがおのれの存在意義を生涯問い続けたのも、そんな街のたたずまいが大きな影響を与えていたのかもしれませんね。

とはいえ、チェコにはセンチメンタルな気分を吹き飛ばしてくれるとっておきのもの、ビールがあります! カルロヴァ通りには思わず吸いこまれそうな魅力的なビアホールやレストランがいっぱい。気持ちの良いテラス席で一杯といきたいところですが、お店によっては店内で飲むほうが安い場合もあるので注意して。ちなみにビールの巨人バドワイザーは、もともとチェコのビールだったってご存知? パテントをアメリカの企業に譲渡したため、今ではアメリカを代表するビールになってしまったのです。

いよいよプラハっ子の心の故郷ヴルダヴァ川が見えてきました。ここに架かるカレル橋は、2車線くらいは取れそうな大きな橋で、似顔絵描きや手作りのアクセサリー、オリジナルグッズを並べた出店がずらりと並び、まるでお祭りのような賑やかさ。ハイシーズンには人ごみを掻き分けながら前進、というのも比喩ではないありさまです。

ヨーロッパで2番目にできた石の橋といわれるカレル橋は、1342年に一度洪水で流されてしまい、1357年からなんと60年もの年月をかけて修復。建築を手がけたのは若き天才ペトル・パルレージュ。欄干に聖人やチェコの英雄をモデルにした30体の石像が並び、中でも一番最初にできた聖ヤン・ネポムツキーの像は、レリーフに触ると幸運が訪れるという縁起モノ。どこにあるかは、わざわざ調べなくても、おさわりの順番待ちをする人が並んでいるので、すぐわかりますよ。

橋塔をくぐると、かつての城下町の風情が残る小地区タワーゲートに入ります。ここを貫くモステッカー通りにもあらゆるお店がぎっしり並び、そこに溶け込むように歴史あるホテルが点在しています。またこの先にあるアメリカ大使館周辺は、次々に新しいホテルがオープンしている注目エリア。こてこてのイタリアンクラシックスタイルのアルキミスト、音楽をテーマにしたアリアなど、プラハの新しいスタイルを感じることができます。こうして、ついに本丸、プラハ城に到着! えっ? もう疲れちゃった? では、プラハ城をじっくり見学するのは明日にしましょうか・・・。