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王宮の丘からくさり橋を渡りアンドラーシ通りへ 

ブダに広がるなだらかな丘陵地帯、王宮の丘はプダペスト観光のハイライト。ハンガリーの政治文化の中心でありながら、トルコ軍の侵攻やハプルブルグ家の支配下に置かれるなど、苦難の歴史を目の当たりにしてきた場所でもあります。さまざまな博物館や歴史的建築物が点在しますが、誰もが必ず訪れるのが漁夫の砦。1902年に完成したハンガリー建国100年の記念物です。ドナウ川からベスト地区を一望できる最高のポイントでもあり、とりわけ夜景は息を呑む美しさです。

ブダペストの世界遺産をめぐる街歩きは、ここから出発です。王宮の丘をペスト側に下ると、ドナウ川に架かる橋の中で最も美しいとされるくさり橋が待っています。くさり橋は1839年から10年もの歳月をかけて造られたもので、設計にはロンドン橋の建築に携わったイギリス人技師が参加、その後第二次世界大戦で破壊されたものの、1949年に復元されました。現在ではプラハのイメージとして最も頻繁に採用されるのが、このくさり橋でもあります。

くさり橋から続く大通り界隈には、インターコンチネンタルやハイアットリージェンシーなどの大型デラックスホテルが集まっています。また南側にはショッピングのメッカ、ヴァーツィ通りが控えていますが、それは後日のお楽しみ。一路アンドラーシ通りを目指しましょう。左手に聖イシュトヴァーン大聖堂が見えてきます。これまた50年もの歳月をかけて建てられた堂々たるネオルネサンス様式の建造物。内部には聖イシュトヴァーンの右手のミイラが安置されています。

アンドラーシ通りに入って、最初にお目見えする必見建造物が国立オペラ劇場。音楽大国ハンガリーの名にふさわしい荘厳なゴシック様式の建物で、こけら落としは1884年、ワーグナーの「ローエングリン」などが上演されました。ここはリスト、マーラーなどそうそうたる音楽家が活躍した場所であり、現在でもヨーロッパを代表するオペラ劇場として君臨しています。

ことにハプスブルグ家支配下のハンガリーで生まれたリストは、生涯自らを「マジャール人」と称し続けたほどハンガリーを愛した音楽家。その美男子ぶりで多くの女性をとりこにした彼は、まさにハンガリーのアイドルでした。この偉大なる音楽家を敬して、アンドラーシ通りにはリスト像が置かれたリスト広場(その奥にリスト音楽院)、リスト記念博物館が設けられています。

アンドラーシ通りは各国大使館や高級住宅が並ぶ美しい並木道。1872年に開通したものですが、当初はシュガール通りと呼ばれていました。その後、アンドラーシ、スターリン、ハンガリー青年通り、人民共和国通りと、政治の動乱に伴い何回も改名された過去があります。2002年には世界遺産に登録。通り沿いにはハンガリー著名人の銅像があったり、建物の外壁に共産主義を反映したレリーフが施されていたりと、散策しながらその歴史をうかがい知ることができるでしょう。

行く先に大天使ガブリエルが翼を広げている姿が見えてきました。通りの終点、英雄広場です。この高さ35mの建国千年記念碑を取り囲んでいるのは歴代の国王や将軍をはじめとした14人の英雄像。だだっぴろい広場に巨大な記念碑・・・ちょっとどこかの国を思い浮かべてしまいますが、これぞ共産主義の象徴的なスタイル。しかし広場では若者たちがスケートボードに興じ、屋台が出店するのどかな憩いの場所。冷たい飲み物でも買って、疲れた足を休めましょう。